目が覚める。
見覚えのある天井。自分の部屋だ。

さっきのは夢…？なんだったんだ一体。

ハッと朱鳥を見るとうなされる事も無く、スヤスヤと眠っていた。

思わずギュッと抱きしめる

「んぅ…？めぐみ…？」

起こしてしまったのかぽやっとした声が聞こえる

朱鳥に触れるし、体温も感じる。
これは夢じゃない

「んーー」

寝ぼけながらも、俺を抱きしめ返してくる

よしよしと俺の頭を撫でながら
「いやな夢でもみたの？大丈夫だよ」
優しげな声で言う

まさか、アレが朱鳥の過去な訳ないよな

あんな辛い事。

ギュッと抱きしめる腕に力が入る

「大丈夫だよ」

アレが過去だとしたらなぜこんなに優しくできるんだ

「朱鳥…」

「なぁに？」

聞こうと口を開いたが言葉が出せず

グッと朱鳥の唇にキスした

「んぅ」

驚いた声が上がるが、抵抗せずに受け入れてくれる

何度も角度を変え、存在を確かめる様に唇を合わせる

「ふっ。…ん…」

求める俺に必死に応える朱鳥

「ぅん。…はっ…めぐみ」

朱鳥は今、確かにここにいる

離したりはしない

誰にも渡さない

誰にも傷付けさせない