恵が座ったので、そっと近寄り、触れるのは恥ずかしかったので裾を握りしめ「無事でよかった」と呟いた。

恵が居なくなるかと怖かった

すると、引っ張られて抱きしめられる

「オマエが無事でよかった」

その言葉は確かに恵の物で
恵の存在を確かめる様におずおずと背中に手を回した。

恵は私の髪に触りながら「呪力はどれくらいで戻るって？」と聞いてくる

真っ白になってしまった自分の髪を指に絡めて遊びながら、言われた事を思い出す
二、三日で呪力は戻るだろうとか、呪力が戻れば髪色も戻るだろうとか言われたと伝える。

「そうか」

そう言って、髪を撫でて、頬に触れる

ちょっとゴツゴツしてて大きくて温かい恵の手のひらに無意識に頬を擦り寄せる

すると突然恵からのキスが降ってくる

ほんの軽く触れるだけの口付け

吐息のかかる距離で目に入るのは私の姿を映す翡翠色の瞳

もう一度、触れるだけのキスが落ちてくる

ちょっとくすぐったいキス

恥ずかしさと受け入れる思いで目を閉じる

もう一度。もう一度。

何度もキスが降ってくる

温かくて、気持ちの距離が近づいた様で

ゆっくりと唇が重ねられる

形を確かめるかの様にゆっくりとあわされる

唇から全身に安心感が広がっていく

しばらくそうした後唇に恵の舌が触れる

思わず体が揺れて、閉じた瞼と掴んだ手に力が入る

ツッと唇をなぞられると、背中がゾワッとして吐息が漏れる

恵の温かくて柔らかい舌が口の中に入ってくる

探るような動きの舌が舌を絡める

ピクんと体が揺れる

ゾクリと何かが背中を走る。

ゆっくりと絡めてくる恵に応えたくて、恵の真似をして絡めてみる

言葉では伝わらない思いが伝わるように口付ける

口の中を優しくなでまわす舌の動きを真似してるうちに頭の中がふわふわして何が何だか分からなくなってきた。

追いつかなくなり呼吸は苦しくなるけど、何だかとても心地よかった