呪霊は下の階で呆気なく見つかった。

異形を前に朱鳥が1歩前え出る

「ここは私が」

「おい」

「私の実力を試すための実地だよね？」

なんだ、バレてたのか。

「だから私が祓います」

「危なくなるようなら加勢する」

「うん」

1歩2歩と呪霊に近づきながら 簪に手をかけて引き抜く

サラリと広がり落ちるとても長い艶やかな黒髪
太もも近くまであるんじゃあないだろうか
よくあんな棒で纏めてたな

彼女が持つ簪は知っている簪より太めだった
シャラりと簪が鳴る

「悪いコにはお仕置です」

そう言って簪を振り下ろすと

ビシィッ！！

と床が小さく砕け散った。
簪から長い縄の様なものが伸びている。

鞭、か？

ォオオォォッッ！！

呪霊が大きく鳴いた

呪霊が朱鳥 に手を伸ばした瞬間 その腕は宙を舞っていた。

ォォオオッッ！

呪霊が反対の腕を彼女に伸ばしたとき、そこには既に彼女はいなくて

腕を避け、高く舞い上がった朱鳥は

「さよなら」

そう言うと、鞭を大きく振り下ろし、呪霊を真っ二つにした。

呪霊は切り口から燃えるように崩れていき消えた。
朱鳥は鞭を横に大きく振り、呪霊の欠片を払い。反対に手首を返し自分の元にと戻したと思ったらそれは既に簪になっていた。

俺の出る幕が全く無いほど完璧だった。

「あっ。この人達かな、失踪した人」

そこには先程とは違うチンピラが気を失って倒れていた。

「多分そうだろ」
スマホを取り出し五条先生に連絡する。

「終わりました。なんですかここは、呪霊よりチンピラの方が多いじゃないですか」

しばらく会話をし通話を切る

「ここにいるチンピラは学校の人が回収しに来る。先生の所へ戻ろう」

「うん。わかったよ。あ。ちょっと待って」

「？」

彼女は簪にを口に加えると、長い髪を手に取り、横にクルクル縦にクルクル簪と一緒にクルクル
下から突き上げ反転させ上から突き刺す。
あっという間にあれ程の長さの髪がペタンと簪一本で纏め上げられてしまった。
ポンポンと手のひらであたまを触り

「うん。よし、できた。おまたせ恵」

「お、おう」

なんであの長さがあぁも収まるんだ。

ビルの外に出るとそこには五条先生。

「よく頑張ったね。偉い偉い」

「先生、チンピラいるの知ってましたね？」

そう詰め寄ると

「いやん、なんの事？」

くねりとする姿に聞く気を無くし背を向ける。

「さぁ、車に乗った乗った。」
車に推し詰められ、学校に向かい走り出す。