居心地
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どうして彼はこんなにも優しくしてくれるのだろうか。
優しくされると、どう享受すればいいかわからず戸惑ってしまう。
冷えた体を温めてくれるように優しさで包んでくれる。
どうしていいか分からないけれど、それは確かに伝わってきて
私は、彼の温もりでいっぱいになっていく
こんなの知らない
「言っておくが、今までも今日の事も、俺は迷惑だなんて思った事はない」
そんな事、言われた事無いよ
「もっと、俺を頼れ」
どうして
「俺はそんなに頼りないか?」
不安気な恵の声が降ってくる。
「そんな事無いよ…!」
違う。そうじゃ無い
その言葉は痛みにかき消される
キツく唇を噛み声を我慢する。
そうやって堪えていると、唇を指で抑えられ
「そんなに強く噛むなっ」
少し焦った恵の声
「そんなに痛むか?」
体の痛みだけじゃない
知らない感情が暴れ出しそうで
それを必死に堪える
「…どうして。どうして恵はそんなに優しいの」
少し考えるような間の後に彼は言った
「…俺は、不平等に助ける人を選ぶ。
誰にでも優しいワケじゃない。
オマエを選んだんだ」
ギュッと、私を包み込む腕に力が入る
恵は誰にでも優しいのかと思ってた。
それが不平等の選択の上だったなんて知らなかった。
それがどうして私なんかなのか。
それがどうして
こんなにも嬉しく思えるのか
彼の体温が心地よく、痛みが溶けていく。
どうしてかは分からないけど、彼の腕の中はとても居心地がいい。
分からない知らない事だらけだけど
ただ、今は心地良かった。