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風の冷たい朝。
教室に向かっていると、医務室から出てくる朱鳥が目に入った。
どこか体調が悪いのだろうか。
おぼつかない足取りで部屋へと戻って行く。
大丈夫だろうか
その時、医務室のドアが開き、家入さんが顔を出す。
「おっ。丁度よかった」
来い来いと手招きする。
「朱鳥の調子が悪くてな。
大丈夫だ、それ自体はよくある。問題は無い」
よくある、問題の無い体調不良?
大分辛そうだったが。
「これ、持って行ってやってくれないか。
悟には私から言っておく」
そう言って渡された袋にはココアとゼリー飲料が入っていた。
「わかりました」
やはり、体調が悪いのだろう。
受け取った袋を手に足早に朱鳥の部屋へと向かう
部屋の前に付き、ドアをノックし声をかける
が返事が無い。
気配はするので中には居るはずだが、寝てしまっただろうか。
コンコンともう一度ノックするが反応が無いので袋を置いて帰ろうとした時、強く風が吹きドアが細く開いた
鍵がかかっていない?
鍵を掛け忘れるほど体調が悪いのか
不躾だとは思ったが、ドアを開き中を覗き見る
「…朱鳥?」
もう一度声をかける。
寝ていると思ったベットには人影所か掛け布団すら無かった。
おかしいと思い部屋を見渡すと、ソファーの上に布団の固まりがモゾモゾとしていた
「朱鳥?」
「…え?め、ぐみ?」
「悪い。鍵がかかってなかった。
これ、家入さんからの差し入れだ。
具合、悪いのか?」
問いかけると、ギュッと体を縮め
「だいじょうぶだよ」
そう返事する声は消え入りそうに小さいし、朱鳥の大丈夫はだいたい大丈夫じゃあない。
ソファーに近づき、顔を覗き込むと白い肌から血の気が引き青白く、眉根は寄せられとても大丈夫には見えない。
風邪で熱でも有るかと思い額に触れると、予想とは違い恐ろしくひんやりしていた。
そもそも今日は一気に冷え込んだのに暖房すらついていない。
慌てて暖房をつける。
差し入れにココアがあったことを思い出し、温めて朱鳥へ差し出す
「ほら、これ飲んで暖まれ」
そう言うものの「いらない」との返事
ついでに「一人がいい」と
そんな事言われても、こんな状態の朱鳥を放っておけるわけがない。
続く「大丈夫だから」の言葉
「どう見ても、大丈夫じゃ無いだろ」
「……」
「…俺じゃ頼りないか?俺じゃ嫌か?」
「……」
冷たいおでこをそっと撫でる
「…せめて、ベットで休め」
そう言って布団ごと抱き上げ、ベットに運ぼうとするとイヤイヤと小さく首を振る
何かに怯える様に更に体を丸める。
しょうがないと再びソファーに下ろし、白くなるほど強く布団を握りしてる手をそっと覆い
「…俺が居るのは、嫌か?」
冷たい手を握り、もう一度聞く。
「……」
少しの間の後に小さく首を横に振る
これは、先程と同じ動作だが
「…嫌じゃないんだな?」
確認すると、布団を握りしめていた手が俺の手を握る。
酷く弱々しいその手を包み込むように握り返す。
隣に腰を下ろす。