五条side

最近、恵と朱鳥の関係が面白い。

距離が近くなったと思えば、急に恵が朱鳥を避けだした。

単独任務を積極的に受け、高専にいる時間を減らし、高専でも朱鳥と会わないようにし、会っても素っ気ない対応。

恵が明らかに拗ねている。
きっと朱鳥に関することなんだろうけど
きっと朱鳥は関係ない。

そしてそれをほとんど自覚してないのが面白い。

朱鳥が目に見えて落ち込んでいるので、少しちょっかいをかけることにした。

部屋に招き、話を聞いて見ると
特に悩みは無いと言う。

どうやらこちらも無自覚らしい

強いていうならと言った言葉は

恵に嫌われてるかもしれない

確かに、最近恵は朱鳥を避けているのでそう思うのも仕方ない。

なぜそう思うのか聞くと

迷惑をかけたから

どんな迷惑をかけたのかと聞くと

困ったような表情で言葉に詰まる朱鳥

朱鳥はとても自己評価が低い。
自分の存在が周囲に迷惑となっていると当たり前に考えている。

これは、僕や他の人間が否定してすぐに治るものじゃない。

朱鳥自身が、自分は迷惑ではないと気づかないと行けないものだ

最近、少し良くなってきたと思った所にこれだ。

恵には後でお仕置だな。

と、言うか。

朱鳥をこんな風に放っておくなら、僕が貰っちゃうよ？

恵よりずっとずっと朱鳥を甘やかして僕の物にしちゃうよ？

それでもいいのかい。

「恵は情に熱いヤツだし。身内をそう簡単には嫌いにならない子だよ」

これは本当。

まだ不安気な表情の朱鳥

腕に閉じ込め、甘い誘惑の言葉を吐けばどうなるか

そんな感情を隠し

両腕を広げ、明るくおいでーと呼んでみると、呆気なく断られる。

朱鳥は気づいていないだけできっと





キチンとお礼を述べ部屋を出ていく朱鳥

「こんなに隙だらけじゃあ奪って下さいって言ってるようなもんだね」

全くもって面白い。