キュッと髪を扱くとジャバジャバとお湯が滴り落ちる。

できるだけ水分を落としバスタオルを髪に巻き付けゴムで縛る

部屋を見ると、恵はまだ帰ってきてない。

浴衣に着替えようと手にした時、後ろの襖が空いてそこには恵の姿が

「！！」

時間が止まる

先に動いたのは恵で

「っわりぃ！！」

スパンと障子を閉める

やってしまった。
完全に油断してた。
今の絶対見られたよね。

①恵の頭を殴り記憶を消す
②何も無かったように振る舞う←

とりあえず浴衣を着て身なりを整える。

髪は後で乾かそう。

外にいては恵が湯冷めしてしまう。

そっと襖を開きそこに居た恵に、お待たせと声をかける。

部屋に2人きりだが、会話は無い。

ちらりと恵を見ると先程選んだかすりの浴衣がとても似合っている。

そうじゃなくて

何か話題話題と考えを巡らせると

「悪かった」

と、謝罪の言葉

完全に見られている
やはり①を選択するべきだったか

「……見たの……？」

思わずそう言ってしまった。