店を出て【ありがたい】景品を見る。

文庫本サイズの箱を開けてみると、経本の様な物が

「経本？」

開いてみると、確かにお経が書いてあり、ただの経本かと思ったその時

『まかはんにゃ~は~ら~みた~』

突然流れ出すお経のメロディ

ポカンとする俺と朱鳥

『心境~観自~在菩~薩行~』

これは、般若心経？
書いてあるのも般若心経。
流れてるのも般若心経。

いや、確かに【ありがたい】かもしれない

「……っぷ。…くくっ。…ふふっ。
…般若っ心経っ……っ」

声の方を見ると朱鳥がプルプルと震えていた

「……っあはははっ！般若心経！ふふっ。【ありがたい】ってっ。くくっ。確かにっ。ありっがたいっ……ははっ」

あの朱鳥が腹を抱えて弾けるように笑っていた。

ありがたい般若心経が余程ツボに入ったのか
苦しそうな位笑っていた。

「…くくっ。確かに【ありがたい】な」

そんな朱鳥を見て、つられて俺も笑う。

こんな朱鳥を見れたならありがたいご利益はあったなと

2人してしばらく笑い転げた。