それから スマホで注文したらしく、虎杖さんと伏黒さんがお店まで取りに行ってくれることになった。

釘崎さんと教室に残れば自然と釘崎さんと会話することになる。

「えっと、釘崎さん」
「敬語禁止。野薔薇でいいわよ。
私も朱鳥って呼ぶから」
「う、うん。えっと、野薔薇？」
「なぁに」
「ピザって美味しい？」
「そりゃもちろん。けど、ピザも食べたことないなんて、随分お堅い田舎のお家なの？」
「うん。まぁそんな所」

呆れ顔で頬ずえをついてこちらを見る野薔薇。

「 朱鳥も大変なのねぇ。」

呪術の学校に通う段階で皆何かしら苦労はあるだろう。
きっと野薔薇達にも苦労はあったのだろう。

取り留めのない会話することしばらくすると。
虎杖さんと伏黒さんが両手に大きな袋を抱えて帰ってきた。

「2人ともおっそーい！」
「仕方ねぇだろ。虎杖があれこれ頼むのが悪い」
「いや、だってピザと言ったらやっぱコーラ必要っしょ。それに、チキンやポテトとかも必要っしょ！」

2人が教室に入って来ると、なんとも言えない美味しそうな香りがする。

「伏黒さん、虎杖さんありがとう」
「あー、敬語禁止ー！俺の事は悠仁でいいよ」
「俺もさん付けは止めてもらいたい。恵でいい」

さん付けも敬語なのか。難しいな。

「えっと、ありがとう。悠仁、恵」

「冷めちまう前に食べよーぜ！」

と教室に拡げられるピザ。ピザ。ピザ。

あっという間に8枚のピザと、その他のチキンやなんやら。

「ちょっと何よ！このバカな量は！」

「いや、ピザーるんって持ち帰りだと1枚無料なんだぜ。」

「って事は4枚も頼んだの！？」

「え？だって 1人1枚だろ？」

「誰がこんなに食べんのよ！
太せる気？！」

「自分がピザがいいって言ったくせに」
「それに俺、1枚じゃ足んねーよ」

1枚で足りないって、1枚は十分大きく見えるのだけど、成長期の男子はそんなものなのだろうか。

「まぁいいわ。 朱鳥のせっかくのピザデビューだものね。」

「ほら、好きなの選べ」

恵に紙皿を渡され、そう言われたものの、どれがいいのか分からない。
目の前の箱から一切れ取り出し口に運ぶ

「！ おいしい」

「この辺りに置いてるのは色んな味があるから、好きなの食べろ」

恵が指さした一確のピザ達は1枚でも色とりどりでとても美味しそうだった。

「ありがとう。恵」

そう言って ピザを食べ進める。

3人も各々ピザを食べて行く。



「ふう。」

美味しいことは美味しいが、3切れも食べればお腹いっぱいになってしまった。

野薔薇も同じ様でお腹をさすっている。

「もう食べねーの？少食だな」

「アンタらの食欲がおかしいのよ」

パクパクとピザを食べていく悠仁と恵。
やっぱり育ち盛りは違うなー

あれだけあったピザ達はほとんど2人の胃袋に収まってしまった。

Mサイズだからと言っていたが沢山食べる人達なんだと覚えた。