簪
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
次の休みの日
その日は待ちに待った恵と簪屋さんに行く日!
ワクワクし過ぎて前日中々寝付けなかった。
学校近くのコンビニでの待ち合わせ
余裕を持って着いたのは待ち合わせ時間20分前にだったのに、そこには恵の姿が。
「ごめんね。おまたせ。恵早いね」
「いや、さっき着いた所ってか、オマエも早いぞ」
「もう楽しみ過ぎて」
恵の私服はグリーンのパーカーに黒のズボン。
制服とは違った雰囲気だ。
「オマエ、その服」
私が来てるのはこの前買った野薔薇セレクト。
余所行きの服をあまり持っていないのと、野薔薇の強い後押しによるものだった
「うん。この前の。野薔薇が着てけって。
…変、かな」
前はあんまり反応が無かったからこういうのは好きじゃないのかなと様子を伺うと
「いや、良い。凄く似合ってる」
ふっと笑いながら言ってくれた言葉は、例えお世辞でも嬉しい。いや、凄く嬉しかった。
移動して着いたのは浅草。
目の前には、テレビでしか見た事のない提灯がぶら下がっていた。
人力車とかいる。
「あんまキョロキョロすんな。
またはぐれるぞ」
の声に慌てて恵を見る。
恵はスマホで私の行きたいお店を探してくれてるようで、こっちだと誘導してくれた。
どうやらお店は提灯の奥にあるらしくて、提灯の下を歩くと
「ほら。上見てみろ」
「上?」
上は提灯の下のハズと見上げると
「……うわぁー」
そこには立派な龍が彫り込まれていた
「凄い……」
迫力のある存在感。
「秘密のパワースポットらしいぜ」
そう言って恵は歩き出す。
もう少し見ていたかったけど、門のど真ん中でずっと立ち止まってるのも迷惑なので、その場を後にした。
門を抜けるとまっすぐ正面の浅草寺に続く石畳。
その両サイドには様々なお店が並んでいた。
そして
「着物の人、多いね。お祭り?」
「いや。確かこの辺りに気付けてくれるお店があったハズだ。着るか?」
「着物はいいや」
着物はあまり興味無い。
スマホ片手の恵が、確かこの辺り…と周囲を見渡す。
私も見回すと、1度だけ雑誌で見た看板が目に入る
「あった!恵っあったよ!あそこ!!」
思わず足が早くなる
「そんな急ぐな。転ぶぞ」
恵の声を背中に聞きながら、お店に到着した。
店の並びの一角にあるお店は開けており、入口から沢山の簪が見える
圧巻され立ち尽くしてると
「見たかったんだろ」
と背中を押す。
足を踏み出しお店の中へ
「…お邪魔します」
小さく声をかけ中に入ると沢山の簪や日本髪のカツラや舞台化粧品まで所狭しと並べられていた。
全部見たくて目が回りそう。
商品に引っかからないように気をつけて店内を見て歩く。
凄い。凄い。凄い。
語彙が少ない自分を恨めしく思うほど素敵な空間。
お馴染みのデザインで手頃な価格のものや、パンダ等の今どきのデザイン。
透かし模様が綺麗な平簪にキラキラ綺麗な下がりに簪。
奥に行けば行くほど高価で華やかになっていく。
「…うゎ。高ぇ」
呟く恵の視線の先に有るのはショーケースに入った高価な簪。
「ホントだ、高いね。
でも、これはべっ甲だし。コッチは螺鈿細工、翡翠や瑪瑙のは有名な作家さんだから価値ある作品だよ」
「へぇ。色々あるんだな」
一通り店内を見て結局何も買わなかった。
見るのは凄く楽しかったけど、素敵すぎて選べなかった。
「ごめんね。せっかく連れてきて貰ったのに」
「別に謝るな。なんでも言い訳じゃないんだろ?気に入るものが見つかるまで何度でも来れば良い」
そう言ってくれる恵。やっぱり優しいなぁ。
と言うか
「また連れてきてくれるの?」
そう聞くと
「あぁ。何度でも連れてきやる」
と、応える恵。とても嬉しかった。
「ありがとう」
ふと、目の前に恵の小指が
「約束な」
そう言って小指を差し出してくる
「うん。約束」
そう応えて、小指を絡め指切りをした。
その日は待ちに待った恵と簪屋さんに行く日!
ワクワクし過ぎて前日中々寝付けなかった。
学校近くのコンビニでの待ち合わせ
余裕を持って着いたのは待ち合わせ時間20分前にだったのに、そこには恵の姿が。
「ごめんね。おまたせ。恵早いね」
「いや、さっき着いた所ってか、オマエも早いぞ」
「もう楽しみ過ぎて」
恵の私服はグリーンのパーカーに黒のズボン。
制服とは違った雰囲気だ。
「オマエ、その服」
私が来てるのはこの前買った野薔薇セレクト。
余所行きの服をあまり持っていないのと、野薔薇の強い後押しによるものだった
「うん。この前の。野薔薇が着てけって。
…変、かな」
前はあんまり反応が無かったからこういうのは好きじゃないのかなと様子を伺うと
「いや、良い。凄く似合ってる」
ふっと笑いながら言ってくれた言葉は、例えお世辞でも嬉しい。いや、凄く嬉しかった。
移動して着いたのは浅草。
目の前には、テレビでしか見た事のない提灯がぶら下がっていた。
人力車とかいる。
「あんまキョロキョロすんな。
またはぐれるぞ」
の声に慌てて恵を見る。
恵はスマホで私の行きたいお店を探してくれてるようで、こっちだと誘導してくれた。
どうやらお店は提灯の奥にあるらしくて、提灯の下を歩くと
「ほら。上見てみろ」
「上?」
上は提灯の下のハズと見上げると
「……うわぁー」
そこには立派な龍が彫り込まれていた
「凄い……」
迫力のある存在感。
「秘密のパワースポットらしいぜ」
そう言って恵は歩き出す。
もう少し見ていたかったけど、門のど真ん中でずっと立ち止まってるのも迷惑なので、その場を後にした。
門を抜けるとまっすぐ正面の浅草寺に続く石畳。
その両サイドには様々なお店が並んでいた。
そして
「着物の人、多いね。お祭り?」
「いや。確かこの辺りに気付けてくれるお店があったハズだ。着るか?」
「着物はいいや」
着物はあまり興味無い。
スマホ片手の恵が、確かこの辺り…と周囲を見渡す。
私も見回すと、1度だけ雑誌で見た看板が目に入る
「あった!恵っあったよ!あそこ!!」
思わず足が早くなる
「そんな急ぐな。転ぶぞ」
恵の声を背中に聞きながら、お店に到着した。
店の並びの一角にあるお店は開けており、入口から沢山の簪が見える
圧巻され立ち尽くしてると
「見たかったんだろ」
と背中を押す。
足を踏み出しお店の中へ
「…お邪魔します」
小さく声をかけ中に入ると沢山の簪や日本髪のカツラや舞台化粧品まで所狭しと並べられていた。
全部見たくて目が回りそう。
商品に引っかからないように気をつけて店内を見て歩く。
凄い。凄い。凄い。
語彙が少ない自分を恨めしく思うほど素敵な空間。
お馴染みのデザインで手頃な価格のものや、パンダ等の今どきのデザイン。
透かし模様が綺麗な平簪にキラキラ綺麗な下がりに簪。
奥に行けば行くほど高価で華やかになっていく。
「…うゎ。高ぇ」
呟く恵の視線の先に有るのはショーケースに入った高価な簪。
「ホントだ、高いね。
でも、これはべっ甲だし。コッチは螺鈿細工、翡翠や瑪瑙のは有名な作家さんだから価値ある作品だよ」
「へぇ。色々あるんだな」
一通り店内を見て結局何も買わなかった。
見るのは凄く楽しかったけど、素敵すぎて選べなかった。
「ごめんね。せっかく連れてきて貰ったのに」
「別に謝るな。なんでも言い訳じゃないんだろ?気に入るものが見つかるまで何度でも来れば良い」
そう言ってくれる恵。やっぱり優しいなぁ。
と言うか
「また連れてきてくれるの?」
そう聞くと
「あぁ。何度でも連れてきやる」
と、応える恵。とても嬉しかった。
「ありがとう」
ふと、目の前に恵の小指が
「約束な」
そう言って小指を差し出してくる
「うん。約束」
そう応えて、小指を絡め指切りをした。