気づく
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朱鳥はよく笑った。
クスクスと微笑むように、困ったように、時に花が咲くように
穏やかな物腰なのに鞭を振るう時は人が変わった様に艶やかに笑む。
こんな弱々しい朱鳥を俺は知らない。
知らない男に右手を掴まれたまま声も出さず身を捩るだけの朱鳥。
ガラス玉のな瞳には怯えた色が写る。
男の手を力一杯握り 朱鳥から手を離させると、朱鳥の手首は薄ら赤くなっていて、怒りを感じてる自分に驚いた。
「こいつ、返してもらうから」
朱鳥の肩を抱き寄せ、威圧して男のを睨むと舌打ちしながらいなくなった。
「…っ」
俯いたままの朱鳥
そっと頭を撫でてやる
本当なら、馬鹿とか何してんだとか怒鳴り散らしてやりたい気持ちだったけど、子供見たいに怯えた朱鳥を見てたらそんな感情も吹っ飛んだ。
…安心したんだ。何もなくてよかったって。
しばらくするとクイッと服の裾を引かれる
「…ありがとう…」
まだ少し怯えが残っているものの、ガラス玉の瞳は俺を写していた。
朱鳥が落ち着いたのを確認し、虎杖達に連絡する。
すぐに駆けつけた釘崎に抱きつかれ
虎杖に「王子様じゃん」とからかわれる
釘崎が「厄祓いにケーキ食べにいくわよ!」と息巻くと「さっきクレープ食べたじゃん」とツッこむ虎杖
「ケーキは別腹なのよ」
二人のやり取りを見てクスクス笑う朱鳥
ほら、行くわよと歩き出す釘崎
俺は朱鳥の手をそっと掴む
俺を見上げる朱鳥
「…また、はぐれねぇ様に…」
「…うん…」
そう言って朱鳥は小さく手を握り返してきた。