「はーい」

返事が、帰ってきた…？

「ここー。ここー！」

声の方を見ると1つ下の階の外にぷらんぷらん揺れながら朱鳥が手を振っていた。

慌てて鵺に乗りそこまで降りると
鞭を体に巻き付けた朱鳥が窓枠からぶら下がっていた

鞭で吊られぷらぷらしながらびっくりしちゃったと
びっくりしたのはこっちだ

鵺の上に抱え上げ部屋に降りる。
相変わらず軽い

「ごめんね。迷惑かけちゃった」

申し訳無さそうに言う朱鳥を抱きしめる

えっ？えっ？と戸惑う彼女を強く抱きしめる

……死んだかと思った。

呪術師はいつ死んでもおかしくない。
彼女もそうなったかと思った。

「…恵。苦しいよ」

モゾモゾと動きながら小さい声で言われ、慌てて腕を離す

「悪りぃ」

「ううん。心配かけてごめんね」

「謝るな」

「えっと。ありがとう」

と、恥ずかしそうに微笑む朱鳥

「あっ！恵っ。手！！」

言われて手を見ると血がでていた
恐らく身を乗り出した時にガラスで切ったんだろう

「大変！手当てしなきゃ！！」

「これくらい舐めときゃ治る」

そう言うとグッと引かれ柔らかい感触が手に触れる。
ハッと見ると朱鳥が俺の傷を舐めていた
そっと舌を這わせて血を舐めとる

「なっ。何してる！」

「ん？舐めときゃ治るって」

ペロりと舌で唇をなぞると血が口紅の様に彩る

その妖艶な姿にドキリとなる

「ほら、もうちょっと」

と、更に舐めようとするので慌てて手を引く

でも…と 気にしてくるので
平気だからと、自分で傷口を舐める。

「とにかく外出てちゃんと手当てしてもらおう？」

「あぁ、そうだな」

そう言って外へ向かう。

その時ふと気づいた。

「どうかした？」

こちらを振り返る朱鳥に「なんでもない…」

と返す。

外に出て伊地知さんに消毒液と絆創膏をもらい貼り付ける。

車に乗っての帰り道。

「オマエ。それいつまでつけてんの」

それとは鞭のこと

体に巻きついたそれはとても胸を強調してるようで目の毒だ。

「えへ、忘れてた」

スルスルと鞭のを解いてく。

学校付き解散して部屋に戻る
ベットに仰向けに寝ると手を上げ絆創膏を見ると。

関節キス、だよな

おれの血に濡れた唇を思い出す。

クソっ

髪を掻き回し頭を冷やすために風呂へと向かった
。