恵side

それから、空いた時間には朱鳥の体術の訓練に付き合った。

スピードも精度も高いがいかんせん威力が弱い。
この前の様なチンピラ位なら問題ないだろうが、鍛えた術師には通用しないだろう。

この日も朱鳥の訓練に付き合っていた。

コイツは蹴り技の方が得意なのか多用している。
鞭の様にしなやかな蹴り。

その度にスカートがヒラヒラして白い太ももが目に入る。

サイドからの蹴りを腕で受けた時にはスカートの中が見えるかと思った。

かと思えば、駄々っ子の様に喚きバタつく
ガキか

とりあえず、水分を与えて落ち着かせる。

ポツリと吐き出すのは
自分は弱いと
少なくともその辺のヤツらよりは強いと思う。
特に、鞭の威力には目を見張るものがある。
それはあの先生も言うから確かだ。

名前で呼ぶと 初めて呼ばれたと言うが、まぁ確かにそうかもしれない。

ふと見ると俺に手を伸ばし上目遣いで覗き込んでくる。
それは反則だろ。
切なげな表情で
「どうすれば恵に触れられる…？」

思わず心臓が跳ね上がる

と、同時に視界が反転し右腕と頬にムニっとした柔らかい感触と関節に走る鋭い痛み。

どうやら蛇の様絡みつかれ、一瞬で関節技をかけられているらしい。
となるとこの柔らかい感触は……

慌ててタップすると、アイツは一本取ったと嬉しそうに笑っていた。

その笑顔に見とれていると、虎杖と釘崎の声が。
スカート覗き見疑惑はとんでもない
と飛び起きると、自らのスカートの裾を持ち上げ ズボンをはいているとの主張。

持ち上げられた裾の下には確かにショートパンツは履いていたが、細い腰のラインにへその小さな窪み。
ショートパンツから伸びる白くしなやかな太もも。
思わず目をそらす。
まさか、虎杖も見たのか
釘崎が「下ろしなさい！」と言っているのでもう大丈夫だろう。
天然か。

部屋に戻ってもあの密着した体温、柔らかな感触が思い出させる。

今夜は寝れる気がしねぇ。