ー華ー
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あれから少し経つ。自分の部屋をもらい、働かせてもらう毎日に、楽しさを覚えていたある日ふと思った。
(ここって、史実の世界じゃなさそう…)
百合が思うのもそうだろう。各地を制圧している大名が勢ぞろいして織田の配下にいるのだ。勿論、その大名の中にはかの有名な武田や上杉、北条などという勢もいる。つい最近、今川との戦もあった様で、その戦で今川勢を飲み込んでしまおうという信長の意図が百合には分かっていた。本来なら、あの戦は桶狭間の戦いと称されるが、その戦は桶狭間では起こっておらず、雨も降っていなかったそうだ。その時助けてもらったと聞いているが、正直あまり記憶にない。
「はぁ。」
ポツリと一つため息をつき、洗濯物を運んでいると。突如、目の前に人の顔が現れた。
「わっ!」
つい驚いて仰け反る。そのまま倒れる、と思ったが、一向に倒れそうにない。
「にっひひ、作戦成功♪」
見ると可愛い女の子だ。ただ、その顔には楽しそうな笑みを浮かべている。驚かして来た子だとは分かっているが、どうも怒る気はしなかった。そして自分の後ろには、誰かが自分を支えてくれている事に気がついた。
「あっ!ごっごめんなさい!」
パッとその人物から離れると、百合はその人物に向かって頭を下げる。
「そんなに頭を下げられてもねぇ。それより、怪我はないかい?」
その優しい言葉に百合の心は軽くなった。
「はい、大丈夫です。支えてくださってありがとうございました。」
そうして洗濯物を持って、その場を走り去ったのだった…
ーーーーーー
その後ろ姿を見つめる二人。
「あの子は色々と頑張ってますにゃ〜。さて、任務に戻りますか。」
くのいちはそう言って百合とは反対方向に走って消えた。
「珍しい子がいるんだね。」
百合の去っていった後を、毛利元就は静かに見ていた。するとそこへ、一人の男が現れた。
「いやぁ、毛利殿。羨ましいのぅ。」
突然そう言われたら驚くしかない。豊臣秀吉だ。彼は時々分からない事を言う。
「それはどういう事ですかな、秀吉殿?」
素直に問うと、秀吉はほう、と一つ元就を見やった。
「あの女子の事は、まだ毛利殿は知らないのですかな?」
あの広間での報告に、丁度同席していなかった元就は、百合の事はただの女中にしか思っていなかったらしい。
「それは一体…」
「あの女子は百合と申しまして、今川との戦で発見された不思議な少女でしてな。いやはや、毛利殿は誠に羨ましい。中々忙しくてまだ挨拶もしていないんじゃが…又の機会に出直すとしよう。」
少々しょげた顔になりながら、秀吉は去る。その話を聞いた元就は、ただただ、驚くだけだった…
(ここって、史実の世界じゃなさそう…)
百合が思うのもそうだろう。各地を制圧している大名が勢ぞろいして織田の配下にいるのだ。勿論、その大名の中にはかの有名な武田や上杉、北条などという勢もいる。つい最近、今川との戦もあった様で、その戦で今川勢を飲み込んでしまおうという信長の意図が百合には分かっていた。本来なら、あの戦は桶狭間の戦いと称されるが、その戦は桶狭間では起こっておらず、雨も降っていなかったそうだ。その時助けてもらったと聞いているが、正直あまり記憶にない。
「はぁ。」
ポツリと一つため息をつき、洗濯物を運んでいると。突如、目の前に人の顔が現れた。
「わっ!」
つい驚いて仰け反る。そのまま倒れる、と思ったが、一向に倒れそうにない。
「にっひひ、作戦成功♪」
見ると可愛い女の子だ。ただ、その顔には楽しそうな笑みを浮かべている。驚かして来た子だとは分かっているが、どうも怒る気はしなかった。そして自分の後ろには、誰かが自分を支えてくれている事に気がついた。
「あっ!ごっごめんなさい!」
パッとその人物から離れると、百合はその人物に向かって頭を下げる。
「そんなに頭を下げられてもねぇ。それより、怪我はないかい?」
その優しい言葉に百合の心は軽くなった。
「はい、大丈夫です。支えてくださってありがとうございました。」
そうして洗濯物を持って、その場を走り去ったのだった…
ーーーーーー
その後ろ姿を見つめる二人。
「あの子は色々と頑張ってますにゃ〜。さて、任務に戻りますか。」
くのいちはそう言って百合とは反対方向に走って消えた。
「珍しい子がいるんだね。」
百合の去っていった後を、毛利元就は静かに見ていた。するとそこへ、一人の男が現れた。
「いやぁ、毛利殿。羨ましいのぅ。」
突然そう言われたら驚くしかない。豊臣秀吉だ。彼は時々分からない事を言う。
「それはどういう事ですかな、秀吉殿?」
素直に問うと、秀吉はほう、と一つ元就を見やった。
「あの女子の事は、まだ毛利殿は知らないのですかな?」
あの広間での報告に、丁度同席していなかった元就は、百合の事はただの女中にしか思っていなかったらしい。
「それは一体…」
「あの女子は百合と申しまして、今川との戦で発見された不思議な少女でしてな。いやはや、毛利殿は誠に羨ましい。中々忙しくてまだ挨拶もしていないんじゃが…又の機会に出直すとしよう。」
少々しょげた顔になりながら、秀吉は去る。その話を聞いた元就は、ただただ、驚くだけだった…
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