政宗は疑問に思っていた。
先程助けたこの少女、服装があまりにも奇抜だし、忍びにしてもどこか気が抜けている。戦場に立たない様な姫だと言ってしまえば終わりかもしれないが、どうもそんな感じでもなさそうなのだ。
(一体、あいつは何者…)
ふと政宗と少女の目があった。少女は目を瞬かせると、コクリと一つ小さなお辞儀をして前を向いてしまった。その仕草が何故か、政宗の心をくすぐった…

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「で、あるか。」
百合は内心とても驚いている。自分の理想の織田信長とぴったりマッチした人物が上座に座ってこちらを見ているのだ。半ば興奮しているが、それよりも周りからの視線が痛い。報告をしている三人の後ろについて来させられたのはここ、大広間。その女子を見せてみよ、と言われ、三人はそれぞれ下座の端の方にはけて、今この状態。この場の全員の視線が百合に集中していて、本人は胃が痛くて仕方がない。
「…良い。そなた、名を申せ。」
百合はびくっと肩を震わせた。
「……百合、です。」
今にも消えそうな声でそう言うと、上座の人物は笑んだ。まさに第六天魔王、織田信長だ。でも違うのだろうな、とどこから来たのか分からない諦めに目を伏せると。
「この第六天魔王、織田信長が。そなたを飼ってやろう。」
飼う、という単語に微妙な気持ちになったが、織田信長という名前に心が踊った…





それからである。百合が織田信長配下の武将と仲良くなったのは…