✿第1章
夢小説設定
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「…はぁ」
フェレンスは取れなかったが、全員が生き残った。
「北条ムラクのガウンタ・イゼルファーと殴り合うなんて!」
「もっと褒めてぇ~、疲れた」
「輝莉からの指示、なんか従わなきゃって気持ちになりましたわ」
「俺様もだ、気持ちが良かったな」
荷物を持ち、学園から寮へ帰ろうとした時だった。
「輝莉」
「ムラクじゃん」
「話がしたい、いいだろうか」
声をかけてきたのはロシウスの生徒、北条ムラク。
輝莉に1人できて欲しいという。
「大丈夫か?」
「大丈夫、情報は漏らさないから」
「気をつけるんやで」
後を追う。
神威島にある公園に辿り着いた。
「話って何よ」
「あの強さ、見事だった。…戦いを得て、何かを感じた」
「何か?」
「何を隠している」
ムラクは問う。
「唐突じゃないか、てっきり仮想国の情報でも聞き出す気かと」
「そんなことはしないさ、それだったらこちらの情報も渡さなきゃならない」
「そりゃそうだ」
ムラクは言う。
「アルテミス、アングラビシダス、アングラテキサスでの優勝経験を持つ。
奇妙な仮面を被る正体不明のプレイヤー、戦い方、戦闘能力、【
「!?」
「そして…別の名を持つ、【
輝莉はため息をついた。
「参ったね…どうも戦い方の癖は抜けないよ。
どこで気づいた?」
「戦い方だ、本気を出せる相手を見つければ近接戦闘に入る。
それ以外は狙撃で、ヘッドショット、武器のみを撃ち落すやり方」
「流石」
「本来の機体とは違うようだが」
「そこも覚えてたか」
「もう一つだ」
ムラクはもう一つ気になったことを伝えた。
それは、シスイにもバレていた事。
「なんでこうもバレるのかな…」
「やはりか、聞いてもいいか、誰にも喋らない」
「…そうしてくれると助かるよ」
輝莉は全てを話した。
「…」
「驚いたろ」
「あぁ、今までよく耐えた。このことハーネスの者は?」
「知っているのは一部だけさ」
「そうか」
輝莉はベンチに座る、ムラクは隣に座った。
「お前は、この学園のことをどう思う?いや、殆ど知っているだろうが」
「そう言う口ぶりは、ムラクも知ってるの?この学園はしてること」
「あぁ、セカンドワールドの存在が、代理戦争である事。
現実世界の戦争にも大きく影響している、小さな箱庭の中の戦争…
俺は、この学園を本来のLBXプレイヤーの育成校にしたい、
LBXを戦争に利用する事を、俺は許せない。夢を見る子供を利用する事も…」
ムラクの言葉に、輝莉は言う。
「私は、【セカンドワールドを守ってほしい】と…任務を受けている」
「!」
「期限は卒業まで、もう一つが…_______」
「!!…まさか」
「大人の世界の愚かしさ、戦争のために子供を使う。
よくあるでしょ?環境改善に次世代の若い芽に託すとかいうの、
元々は今までの人間達が犯した罪、その精算を次の世代に託す、
実に滑稽、実に愚か、戦争もまた然り」
ムラクは言葉を飲んだ。
「実際の戦争を知らぬ子供達が、代理戦争をしている。
むかついてしょうが無い、実際に”手にかけた”事も無い子供達が、平然と…」
輝莉の言葉に、ムラクは言う。
「ハーネスの者達全員には、このことを伝えるのか?」
「きっかけが欲しいよ」
ムラクは立ち上がり、右手を差し出す。
「気持ちも、利害も同じ、この話を聞いた者として、
協力させて貰えないだろうか、戦力は大いに超したことはないだろう」
「…協力についてはこちらから願い出るべき事、助かるよ」
輝莉は大きな協力者を得た。
「ここまで胸熱く心躍る戦いは、君で2人目だ」
「あら、1番目じゃないか。誰か他に?」
「ジェノックにいる瀬名アラタ、彼が1人目だ」
「瀬名アラタ…」
彼に傷を付けたプレイヤーとして、その名は広まっていた。
「どうやら、
君を狙うようだ」
「ほう?…いいね、楽しみだ」
輝莉の笑みに、思わずたじろぐムラク。
「彼には話したの?」
「まだだ、次の作戦の後にでも言うつもりだ。立場上な」
「そりゃそうだ、CCMの連絡先交換しとこう。
何かあれば連絡してくれていいし」
「大丈夫なのか?」
「何が?」
「ハーネスのメンバーだ」
「事情が分かれば、理解してくれるさ。味方となってくれれば」
輝莉は荷物を持って歩き出した。
「全て終われば、この学園はきっと変わる」
ムラクは思わず言う。
「全てが終わったら、またバトルして欲しい。
仮想国も関係なく、ただ純粋にバトルがしたい。お前と!」
その言葉に、輝莉は返事をせず。
右手を振りその場を後にした。
約束は出来ないからだ
寮へ戻る
「ジェノックが?」
「ムラクを相手にしたっていう瀬名アラタ、どうやら次は私を狙ってるみたいだよ」
「人気者やなぁ」
「嬉しいのかよく分からないねw」
「楽しそうな顔して何を言ってるんだお前は」
…
「ムラクが!?」
「ハーネスの狼と殴り合って、右腕をやられたそうよ」
「終了時刻で引き分けになったらしいけど、もしかしたら…」
「戦ってみたい!」
「馬鹿か君は、奴は姿無き狼、姿を見た者はブレイクオーバーにされていると言われている」
「アラビスタにも領地を増やし、ロシウスにも打って出ているほどだ」
「やってみなきゃわかんないだろ?」
瀬名アラタはわくわくしていた。
「楽しみだ!」
…
次の日は、ウォータイム前に学園長に呼ばれていたため、第1小隊と離れていた。
「お前らが第1小隊か?」
「あの狼に頼りっきりなんだろ?」
ちょっかい出してきたのはロシウスの生徒、ブルーグリフォンと呼ばれる3人組。
そのプレイはかなり最悪で、別名はデスワルズブラザーズ。
「狼がいなけりゃ一捻りなんだよお前らなんかな!」
「勝負したろうやないの!」
「相手にならねぇよw」
「瞬殺だ瞬殺w」
「それに黒騎士もお前らんとこだろ?」
「そいつにも頼ってんだろw」
「弱小国家の癖になぁw」
笑いながら去って行く3人組。
怒りを爆発するスズネ、それを抑える2人も怒りに震える。
「ウチ…悔しい…」
涙をこらえるスズネ。
「その気持ちは俺達も一緒だ」
「輝莉に頼っていたのは間違いないけれど、あそこまで言われるとね…」
屋上にいる仲間の元に戻る[#dn=1]。
「お待たせぃ…ん!?どうしたの!」
「学園長の話は終わったか?」
「終わったけど、…誰?泣かせたの」
その様子を見て、何かあったのかを察した輝莉の表情が冷酷に変わる。
タケルが説明する。
「……ほう」
怒りを見せるその姿に背筋が凍る。
「自分のことを言うなら、まだ捨て置くが…仲間をここまで侮辱するとは…」
輝莉はCCMでムラクにメールを入れる。
ー 「そっちのデスワルズブラザーズ、私の仲間達を侮辱した。
かなりの素行の悪さだって言うね…
悪いけれど、その3人組許すことはできないから落させて貰う」
返事は早かった。
ー 「素行の悪さではこちらも頭を悩ませていた、詫びさせてもらいたい。
落すと言うのなら好きにして構わない、仲間への侮辱は俺も許せない」
ー 「悪いね」
ー 「謝らなくて良い」
CCMを閉じる。
「輝莉?」
「大丈夫だよ、スズネちゃん…私に任せて」
「大丈夫なのか?」
「任せんしゃい、私を誰だと思ってんの?」
狼は群れ意識の高い獣、仲間を守るのもまたその役割だ
ゴールドバレー基地に現れるデスワルズブラザーズ。
狼で出撃する輝莉、本人の希望で相手を1人でする事になる。
現れた事で油断する3人。
「〘仲間の侮辱は万死に値する〙」
その言葉と共に襲いかかる狼。
武器を構えるがそれを叩き落し、腕を奪い、足を奪っていく。
その様に恐怖を覚える3人。
次々に四肢を奪われ、頭部を持ち上げる。
「〘謝罪する…謝る…許してくれ…頼む!〙」
「〘もうちょっと早くできるとよかったなぁ…〙」
「〘や…やめ!〙」
頭部が破壊される、3機全てロストされた。
出撃がなかったムラク小隊はその様子を見て、息をのんだ。
「やべぇな…」
「あの
「にしても、容赦のない…」
ウォータイムが終わり、3人は荷物をまとめフェリーへ向かう。
そこで輝莉がいたことに気づく。
「お前…確かに仲間の侮辱は許されない、自分が逆の立場ならそうしていたかもしれない」
「気づくことができたのなら、成長できる」
3人はフェリーへ乗り込んだ。
後を追ってきた第1小隊が声をかける。
「すまない…嫌な役割をさせた」
「気にしないで、【”汚れ役”】は…私だけで十分だ」
泣きそうになるスズネを抱き寄せ頭を撫でる。
「スズネちゃん、スズネちゃんは笑っているのが一番良いよ。
あの3人も今回のことを過ちと認められたんだ、きっと変われるしやり直せる、ここではないどこかでね」
「…うん」
「戻ろうか」
仲間と共に戻っていく。
