一章(杭瀬村編)
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うしおは羞恥心から大木の布団に遠慮なく包まる。結婚して子供が産まれてからというもの、生活の変化と育児とで自分のことが疎かになっていた。
子供の夜泣きで睡眠時間もあまり取れない中で、下着をつけ忘れるくらい仕方ないと言いたい。
とは言っても、夫以外の男性にこんな姿を見られてしまうとは恥ずかしすぎる。
(最悪っ。明日の朝どんな顔して話し合えばいいのよ…)
うしおは目の前の問題と、現代に残してきたであろう家族のことを思い中々寝付けなかった。
(布団は違うとはいえ、同じ部屋で寝るのはなあ…)
初めは緊張していたうしおも夜が深くなるにしたがって、いつのまにか眠りについた。
布団から規則正しい寝息が聞こえる。どうやら女は眠ったらしい。
大木はゆっくりと起き上がると、女の布団をゆっくり剥いだ。
「っん」
女はもぞりと動いたが、また寝息を立てはじめる。
大木は女をじっと観察する。
体つきからして鍛えている訳ではない。先ほど拘束した時にも、あまりにも非力な抵抗であった。
服を触ってみると上質な綿を使っている。それに上半身の真ん中に丸い固いものがいくつかついている。根付けやビードロに近いものだろうか?近くで見てもよく分からない。
(杭瀬村からだいぶ離れた場所にいたのだろうか?もしくは南蛮から来たのか?)
今度は服をめくって腹部を確認する。
(妊娠線がまだ濃く残っているな…)
産後間もないということだろう。子供がいるという話は間違いなさそうだ。
(…しかし、産後の体でワシの家に忍び込むとは考えにくい。それに知らない男の家で眠れるとは、警戒心がなさすぎる。…忍の線はほぼないな)
大木はそっと布団をかけなおした。
忍びでないとすれば、服装からして商屋の妻か、何処かの城の奥方とも考えられる。
しかしこれらの推測はおそらく違うだろう。
(…尼と変わらないほど髪が短いのは何故だ?)
髪の長さだけで言えば尼かとも思うが、子供が産まれたのであればその線も低い。
女の正体が全く見当もつかない。大木はうーんと寝転がる。
(考えても分からんな。ともかく明日の朝、様子をみるか!)
大木は目を瞑る。しかし、女の気配は気にしながら、横になった。
(ワシや学園の敵であれば、どうにかするまでか…)
すやすやと眠る女は、信じると言った大木の言葉を信じているだろう。そして、大木に対抗できるだけの話術も体術も使えない。
(だとすれば、問題ない。
明日まで猶予を与えても大丈夫だろう)
大木は蝋燭の炎を、そっと指で消した。
真っ暗な部屋に、小さな寝息だけが聞こえていた。
子供の夜泣きで睡眠時間もあまり取れない中で、下着をつけ忘れるくらい仕方ないと言いたい。
とは言っても、夫以外の男性にこんな姿を見られてしまうとは恥ずかしすぎる。
(最悪っ。明日の朝どんな顔して話し合えばいいのよ…)
うしおは目の前の問題と、現代に残してきたであろう家族のことを思い中々寝付けなかった。
(布団は違うとはいえ、同じ部屋で寝るのはなあ…)
初めは緊張していたうしおも夜が深くなるにしたがって、いつのまにか眠りについた。
布団から規則正しい寝息が聞こえる。どうやら女は眠ったらしい。
大木はゆっくりと起き上がると、女の布団をゆっくり剥いだ。
「っん」
女はもぞりと動いたが、また寝息を立てはじめる。
大木は女をじっと観察する。
体つきからして鍛えている訳ではない。先ほど拘束した時にも、あまりにも非力な抵抗であった。
服を触ってみると上質な綿を使っている。それに上半身の真ん中に丸い固いものがいくつかついている。根付けやビードロに近いものだろうか?近くで見てもよく分からない。
(杭瀬村からだいぶ離れた場所にいたのだろうか?もしくは南蛮から来たのか?)
今度は服をめくって腹部を確認する。
(妊娠線がまだ濃く残っているな…)
産後間もないということだろう。子供がいるという話は間違いなさそうだ。
(…しかし、産後の体でワシの家に忍び込むとは考えにくい。それに知らない男の家で眠れるとは、警戒心がなさすぎる。…忍の線はほぼないな)
大木はそっと布団をかけなおした。
忍びでないとすれば、服装からして商屋の妻か、何処かの城の奥方とも考えられる。
しかしこれらの推測はおそらく違うだろう。
(…尼と変わらないほど髪が短いのは何故だ?)
髪の長さだけで言えば尼かとも思うが、子供が産まれたのであればその線も低い。
女の正体が全く見当もつかない。大木はうーんと寝転がる。
(考えても分からんな。ともかく明日の朝、様子をみるか!)
大木は目を瞑る。しかし、女の気配は気にしながら、横になった。
(ワシや学園の敵であれば、どうにかするまでか…)
すやすやと眠る女は、信じると言った大木の言葉を信じているだろう。そして、大木に対抗できるだけの話術も体術も使えない。
(だとすれば、問題ない。
明日まで猶予を与えても大丈夫だろう)
大木は蝋燭の炎を、そっと指で消した。
真っ暗な部屋に、小さな寝息だけが聞こえていた。