一章(杭瀬村編)
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「いやー、土井先生助かりました!」
2人は収獲したネギを荷台から下ろし終えた。
「大木先生には乱太郎達がお世話になっていますから、これくらい」
「その乱太郎達が心配でわざわざ着いて来たんでしょう?」
「…まあ、そうですね」
うしおのことは学園長に事前に手紙で伝えてはいた。今後忍術学園の生徒がやってくることもあるためだ。学園長からは先の世から来たうしおに興味津々な返信があったばかりだった。また教師陣には伝え、生徒には混乱を避けるため必要となれば伝えるとのことだった。
乱太郎達が手伝いに来ることはうしおが来る前から決まっていた。それを知った土井先生ならば、心配して着いてくるだろうと思っていた。
「どうですか実際に会ってみて」
「まだ何とも…体力も筋力も無いので忍びの可能性は低いかと。乱太郎達とも仲良くしてくれそうなので、悪い人ではないかもしれませんね」
確かに、は組は人を見る目がある。悪い人間であれば懐かないだろう。
「大木先生は、かなり気を許していらっしゃるようですね」
若干棘のある言い方だった。大木は気にせずガハハと笑う。
「なあーに。1週間も暮らしてればボロが出ます。それでも不審な所は見当たらない、だから敵ではないでしょう。それに随分と年下相手にワシは騙されませんよ」
「…大木先生ならば不審な所に気がつくでしょうが…ですがうしおさんは大木先生と大して年齢は変わらないそうですよ?」
「ん?そうなんですか?土井先生より年下では?」
「いえ私も驚いたんですが…30歳だと」
「……ワシと3つしか変わらないじゃと!?…騙されたわ」
確かに年齢を聞いたことはなかったが、自分と大して変わらなかったとは。
今まで小娘だと思って接してきたが、意外な事実に大木は驚く。
(…先の世では結婚は遅いのか。)
自分は結婚すらしていないため人のことは言えないが。
(山本先生のように年齢は分からんものだな…)
「…年齢は意外ですが、でも子供の扱いもお上手ですし、確かに私より年上だなとは感じましたよ」
「あいつに言ってやってください。お世辞でも喜びます」
「お世辞じゃないですよ。あの年齢で未婚ならば子供が嫌いなのかと思いましたが、そうではなさそうですし」
「まあ、子供は…好きでしょうなあ」
子供については学園長に報告しなかった。
大木はそこまで報告しなくても良いだろうと判断したのだ。あくまでも、ここにいるのはうしおだけである。ここにいない人間の事まで知る必要はない。
(あの夜のような辛い顔は、ワシだけが知っていればいい)
うしおが初めて来た夜、子供がいないと悲しみ、ワシに殺意まで飛ばして来た。あんな姿は他の誰かに見せていいものではない。
(あいつはバカ真面目で、揶揄われて恥ずかしがっている姿が丁度いい)
さっきはいきなり呼び捨てされて驚いたが、ワシに嫌われないか心配してあたふたする姿は面白い。大木はさっきの様子を思い出してふっと笑う。
「土井先生、そろそろ戻りますか」
「そうですね」
土井はうしおの事を話すたびに柔らかい表情になる大木を見て、本当に悪い人ではないのかもしれないと感じる。
ただ、もう少し時間が欲しい。
大木にこんな表情をさせるとは、うしおがどういう人間なのか土井は興味を持った。
(また機会があれば話をしてみようか…)
2人は収獲したネギを荷台から下ろし終えた。
「大木先生には乱太郎達がお世話になっていますから、これくらい」
「その乱太郎達が心配でわざわざ着いて来たんでしょう?」
「…まあ、そうですね」
うしおのことは学園長に事前に手紙で伝えてはいた。今後忍術学園の生徒がやってくることもあるためだ。学園長からは先の世から来たうしおに興味津々な返信があったばかりだった。また教師陣には伝え、生徒には混乱を避けるため必要となれば伝えるとのことだった。
乱太郎達が手伝いに来ることはうしおが来る前から決まっていた。それを知った土井先生ならば、心配して着いてくるだろうと思っていた。
「どうですか実際に会ってみて」
「まだ何とも…体力も筋力も無いので忍びの可能性は低いかと。乱太郎達とも仲良くしてくれそうなので、悪い人ではないかもしれませんね」
確かに、は組は人を見る目がある。悪い人間であれば懐かないだろう。
「大木先生は、かなり気を許していらっしゃるようですね」
若干棘のある言い方だった。大木は気にせずガハハと笑う。
「なあーに。1週間も暮らしてればボロが出ます。それでも不審な所は見当たらない、だから敵ではないでしょう。それに随分と年下相手にワシは騙されませんよ」
「…大木先生ならば不審な所に気がつくでしょうが…ですがうしおさんは大木先生と大して年齢は変わらないそうですよ?」
「ん?そうなんですか?土井先生より年下では?」
「いえ私も驚いたんですが…30歳だと」
「……ワシと3つしか変わらないじゃと!?…騙されたわ」
確かに年齢を聞いたことはなかったが、自分と大して変わらなかったとは。
今まで小娘だと思って接してきたが、意外な事実に大木は驚く。
(…先の世では結婚は遅いのか。)
自分は結婚すらしていないため人のことは言えないが。
(山本先生のように年齢は分からんものだな…)
「…年齢は意外ですが、でも子供の扱いもお上手ですし、確かに私より年上だなとは感じましたよ」
「あいつに言ってやってください。お世辞でも喜びます」
「お世辞じゃないですよ。あの年齢で未婚ならば子供が嫌いなのかと思いましたが、そうではなさそうですし」
「まあ、子供は…好きでしょうなあ」
子供については学園長に報告しなかった。
大木はそこまで報告しなくても良いだろうと判断したのだ。あくまでも、ここにいるのはうしおだけである。ここにいない人間の事まで知る必要はない。
(あの夜のような辛い顔は、ワシだけが知っていればいい)
うしおが初めて来た夜、子供がいないと悲しみ、ワシに殺意まで飛ばして来た。あんな姿は他の誰かに見せていいものではない。
(あいつはバカ真面目で、揶揄われて恥ずかしがっている姿が丁度いい)
さっきはいきなり呼び捨てされて驚いたが、ワシに嫌われないか心配してあたふたする姿は面白い。大木はさっきの様子を思い出してふっと笑う。
「土井先生、そろそろ戻りますか」
「そうですね」
土井はうしおの事を話すたびに柔らかい表情になる大木を見て、本当に悪い人ではないのかもしれないと感じる。
ただ、もう少し時間が欲しい。
大木にこんな表情をさせるとは、うしおがどういう人間なのか土井は興味を持った。
(また機会があれば話をしてみようか…)