一章(杭瀬村編)
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桶にヤカンと井戸水を何度か入れ替えて、少しでもお茶を冷やす。
その間にみんなでおにぎりを握る。
「しんべえがつまみ食いしてる!」
「乱太郎君止めて!」
大木さんの分がなくなってしまうとうしお は焦る。
「しんべえ君!今も大木さんは1人で頑張ってらっしゃるんだから、全部食べちゃダメよ」
「はーい、ごめんなさーい」
あの顔で謝られると、それ以上怒る気がなくなってしまう。
「きり丸くん、おにぎり上手に握るのね」
「アルバイトで弁当売ったりしてますから」
得意げ気な様子に可愛いなあと思う。
「たまに私達も手伝ってるもんね」
「そっか、だからみんな上手なのね。…しんべえ君はちょっと大きいわね」
「そお?」
とぼけた表情は何とも憎めない。
「土井さんもお上手ですね」
(こっちの男性陣は、お料理上手だなあ)
「独り身ですから、このくらいは」
(謙遜する土井先生も素敵…)
「なんかさあ、うしおさんが土井さんって言ってるの変な感じだよなあ」
「私も聞きなれないなあと思ってた」
「僕も。大木先生のことも大木さんって言ってるの変な感じ」
確かに彼らは2人のことを先生と呼んでいるのだから聞きなれないだろう。だけど忍術学園の先生だと教えてもらっていないし、私が2人は教師なのだと知っていたら不審がられてしまう。だから、さん付けで読んでいたのだが。
「うしおさんも土井先生って呼んでみたらいいんじゃないすか?それとも土井先生が歳下だから半助とか」
「きり丸くん、また揶揄ってるでしょ」
バレました?とお茶目に笑う。
「きり丸、年上の方を揶揄うんじゃない。うしおさんが呼びたいように呼んでください」
「え、いいんですか?…じゃあ…私も土井先生とお呼びしても?」
「もちろん構いませんよ」
(やった!先生呼びずっとしてみたかったんだよね)
うしおは内心ガッツポーズする。
みんなで握ったおにぎりとお茶を、畑で作業している大木の元に届ける。汗と手を洗えるように冷たい水を桶に張って、荷台に乗せる。
さて出発するかと思った時、きり丸がうしおに耳打ちする。
「大木先生のことも呼び方変えたらどうっすか?きっと大木先生喜びますよ」
「そうかな?急に嫌じゃないかな」
「うーん、俺が見てる感じだと大丈夫だと思うけどなあ」
「大木先生って?」
「むしろ、もっと親密な呼び方の方が喜ぶと思いますけど。ちょっとびっくりするかもですけどね」
ニシシと笑う口元は八重歯が覗いている。
「……じゃあ呼んでみようかな」
(大木さんにはいつも揶揄われてばかりだし、ここで仕返ししてもいいよね)
「「「大木先生ー!おにぎり握って来ましたー!」」」
「僕もうお腹ぺこぺこですー!早くたべましょう!」
「しんべえは、さっき食べたでしょ」
「お米全部食べちゃいそうだったもんな」
3人の掛け合いを見ていると、大木が戻って来た。背中にはたくさんネギがある。
「お疲れ様です。お水あるので手洗ってください。あと濡らした手拭いもどうぞ」
「すまんな」
大木は手を洗うと、冷たく濡れた手拭いを受け取り、汗をぬぐった。
「本当に夫婦みたいっすよねー」
「ちょっときり丸君っ!」
恥ずかしくて、早く座ってと皆んなを急かす。
うしおはみんなにおにぎりとお茶を配る。
いただきます!と皆んなが食べ始めたところで、大木の隣にうしおは座る。
大木は美味しそうにおにぎりを頬張ると、お茶を一気に飲み干す。うしおは大木の湯呑みを取りお茶を注ぐ。
「…お茶のお代わりどうぞ…雅之助さん…」
「ああ、すまん…な…」
お茶を受け取った大木は驚いたように片手に持っていたおにぎりを落としてしまう。
「……やっぱり嫌でしたか……」
固まる大木にうしおは焦る。
「やっぱり大木さんとお呼びした方がいいですよねっ?」
(急に距離詰めすぎた、揶揄うはずが…なんか反応が…)
「…いや、好きに呼べばいい」
急に素っ気ない態度の大木に余計あせる。
(きり丸君!大丈夫って言ってたじゃない!)
きり丸を見ると大丈夫と頷いている。
(全然大丈夫そうじゃないけど!?皆んなが帰ったらどうしよう…)
「うしお」
「はい!」
(…あれ?…初めて名前で呼ばれた…?)
「食べ終わったら、子供達と少し休んでおれ。ワシは後から収獲した分を家に運ぶ」
「あ、はい…」
(…反応が薄すぎて拍子抜けかも。でも、怒って
ないよね…?)
大丈夫かなと心配になりながらも頷く。
「それじゃあ私もお手伝いしますね」
「土井先生助かります。それじゃあ、お前たち!うしおが倒れんか見ておれよ!」
「「「はーい」」」
「もう!大丈夫です!」
心配してくれているのか、揶揄われているのか微妙だか、あの表情を見るに後者だな。
土井と、大木は収獲したネギをまた荷台に乗せると家へ向かって行った。
その間にみんなでおにぎりを握る。
「しんべえがつまみ食いしてる!」
「乱太郎君止めて!」
大木さんの分がなくなってしまうとうしお は焦る。
「しんべえ君!今も大木さんは1人で頑張ってらっしゃるんだから、全部食べちゃダメよ」
「はーい、ごめんなさーい」
あの顔で謝られると、それ以上怒る気がなくなってしまう。
「きり丸くん、おにぎり上手に握るのね」
「アルバイトで弁当売ったりしてますから」
得意げ気な様子に可愛いなあと思う。
「たまに私達も手伝ってるもんね」
「そっか、だからみんな上手なのね。…しんべえ君はちょっと大きいわね」
「そお?」
とぼけた表情は何とも憎めない。
「土井さんもお上手ですね」
(こっちの男性陣は、お料理上手だなあ)
「独り身ですから、このくらいは」
(謙遜する土井先生も素敵…)
「なんかさあ、うしおさんが土井さんって言ってるの変な感じだよなあ」
「私も聞きなれないなあと思ってた」
「僕も。大木先生のことも大木さんって言ってるの変な感じ」
確かに彼らは2人のことを先生と呼んでいるのだから聞きなれないだろう。だけど忍術学園の先生だと教えてもらっていないし、私が2人は教師なのだと知っていたら不審がられてしまう。だから、さん付けで読んでいたのだが。
「うしおさんも土井先生って呼んでみたらいいんじゃないすか?それとも土井先生が歳下だから半助とか」
「きり丸くん、また揶揄ってるでしょ」
バレました?とお茶目に笑う。
「きり丸、年上の方を揶揄うんじゃない。うしおさんが呼びたいように呼んでください」
「え、いいんですか?…じゃあ…私も土井先生とお呼びしても?」
「もちろん構いませんよ」
(やった!先生呼びずっとしてみたかったんだよね)
うしおは内心ガッツポーズする。
みんなで握ったおにぎりとお茶を、畑で作業している大木の元に届ける。汗と手を洗えるように冷たい水を桶に張って、荷台に乗せる。
さて出発するかと思った時、きり丸がうしおに耳打ちする。
「大木先生のことも呼び方変えたらどうっすか?きっと大木先生喜びますよ」
「そうかな?急に嫌じゃないかな」
「うーん、俺が見てる感じだと大丈夫だと思うけどなあ」
「大木先生って?」
「むしろ、もっと親密な呼び方の方が喜ぶと思いますけど。ちょっとびっくりするかもですけどね」
ニシシと笑う口元は八重歯が覗いている。
「……じゃあ呼んでみようかな」
(大木さんにはいつも揶揄われてばかりだし、ここで仕返ししてもいいよね)
「「「大木先生ー!おにぎり握って来ましたー!」」」
「僕もうお腹ぺこぺこですー!早くたべましょう!」
「しんべえは、さっき食べたでしょ」
「お米全部食べちゃいそうだったもんな」
3人の掛け合いを見ていると、大木が戻って来た。背中にはたくさんネギがある。
「お疲れ様です。お水あるので手洗ってください。あと濡らした手拭いもどうぞ」
「すまんな」
大木は手を洗うと、冷たく濡れた手拭いを受け取り、汗をぬぐった。
「本当に夫婦みたいっすよねー」
「ちょっときり丸君っ!」
恥ずかしくて、早く座ってと皆んなを急かす。
うしおはみんなにおにぎりとお茶を配る。
いただきます!と皆んなが食べ始めたところで、大木の隣にうしおは座る。
大木は美味しそうにおにぎりを頬張ると、お茶を一気に飲み干す。うしおは大木の湯呑みを取りお茶を注ぐ。
「…お茶のお代わりどうぞ…雅之助さん…」
「ああ、すまん…な…」
お茶を受け取った大木は驚いたように片手に持っていたおにぎりを落としてしまう。
「……やっぱり嫌でしたか……」
固まる大木にうしおは焦る。
「やっぱり大木さんとお呼びした方がいいですよねっ?」
(急に距離詰めすぎた、揶揄うはずが…なんか反応が…)
「…いや、好きに呼べばいい」
急に素っ気ない態度の大木に余計あせる。
(きり丸君!大丈夫って言ってたじゃない!)
きり丸を見ると大丈夫と頷いている。
(全然大丈夫そうじゃないけど!?皆んなが帰ったらどうしよう…)
「うしお」
「はい!」
(…あれ?…初めて名前で呼ばれた…?)
「食べ終わったら、子供達と少し休んでおれ。ワシは後から収獲した分を家に運ぶ」
「あ、はい…」
(…反応が薄すぎて拍子抜けかも。でも、怒って
ないよね…?)
大丈夫かなと心配になりながらも頷く。
「それじゃあ私もお手伝いしますね」
「土井先生助かります。それじゃあ、お前たち!うしおが倒れんか見ておれよ!」
「「「はーい」」」
「もう!大丈夫です!」
心配してくれているのか、揶揄われているのか微妙だか、あの表情を見るに後者だな。
土井と、大木は収獲したネギをまた荷台に乗せると家へ向かって行った。