一章(杭瀬村編)
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うしおは夕食をとりながら、今日あったことを報告する。
少し家を留守にしてしまったことを怒られるかと思ったが、案外何も言われずほっとする。
「野菜を届けておったのだろう。それくらい構わん。」
大木は気にするなと言う。
「あそこは子供も小さいし手伝ってやれることは村人同士、皆で協力するもんだからな。」
昔は便利なものもないし、皆で協力して生きているんだろう。できることはやり、手伝ってもらえることは頼む。そんな生き方をして、皆支え合っているんだなあ。
「あの、フキさんの所へたまに行ってもいいですか?」
「なんだ、もう仲良くなったのか」
「その……子供の世話をしに」
「別に問題ないぞ。じゃが、あそこはお婆もいるし世話する人間はいると思ったが」
男性にはなんだか言いづらい。別に悪いことをしにいくわけじゃないが、母乳をあげにいくって言いづらすぎる。
だが言わないでせっかく頂いた仕事を、疑われて辞めさせられるのも困る。
仕方がないとうしおは恥ずかしいながらもお乳を分けにいくと伝える。さすがに胸当てをもらったからとは男性に伝えられないが…。
大木は一瞬固まったが、全く表情を変えずいつもの笑顔でそうか!と言っただけだった。
(…なんだか自分だけ意識しているみたいで恥ずかしいな…)
大木先生は忍だし、この程度のこと驚かないのだろうか。昔の人は自分より、ずっと大人だなあ。うしおは恥ずかしさで赤らめた頬をなんとか冷やそうと、両手を当てて落ち着ける。
(私も三十路の立派な大人なんだから、しっかりしなくちゃ)
うしおが作ってくれていた料理は、シンプルながらも美味しい。ただ、火の使い方は未だに慣れないようで、一緒に竃の火をつけて味噌汁を作った。
うしおは早く覚えようと真剣に手元を観察していた。
(真面目なやつだなあ)
大木は分かりやすいように説明しながら、使い方を教えた。
できあがった料理を食べながらうしおが今日あったことを報告する。なんだか業務報告のようで堅苦しかった。その様子もバカ真面目さが垣間見える。
(近所のフキとも仲良くなったのか。)
あそこは小さい子供もいて年齢も近いだろう。確か二十歳を少し超えたくらいだったか。村人と打ち解けようと頑張っているなと感心する。
子供の世話をしに行きたいといううしおに、人手は足りているのではと伝える。するとなぜか顔を赤らめ、話そうか悩んでいる様子だった。
(急にどうしたんだ?)
大木は不思議そうにうしおを見つめていると、決心がついたのかうしおは口を開いた。
「あの!…お乳を!あげにいきたくて…。フキさん出が悪くて、遠くまでもらいに行ってるって言ってたので。…ほら、わたしだったら近いし!ちょうどいいかなって!」
恥ずかしさのあまり、捲し立てるようにいううしお。
(あ、お乳をか……。って、そんなに恥ずかしいがらなくてもいいじゃろう)
自分が言わせて辱めているようだ。
薄暗くなった部屋で蝋燭の灯りに照らされ、顔を赤らめ両手で頬を抑え俯く姿が、なんだか加虐心をくすぐる。
(いかんいかん!ワシは元忍術学園の教師だぞ!)
生徒に三禁を教えていた自分が、雰囲気に流されてはならない。
うしおに悟られぬよう、いつもの笑顔でそうか!と返す。
大木は何食わぬ顔で食事を続けた。
うしおも何でもなさそうにご飯を口にしているが、まだ頬は赤いままだ。なんなら耳まで赤くなっている。
(……やっぱり忍のはずないな。分かりやすすぎる)
大木はくすりと笑うと、味噌汁をすすった。
少し家を留守にしてしまったことを怒られるかと思ったが、案外何も言われずほっとする。
「野菜を届けておったのだろう。それくらい構わん。」
大木は気にするなと言う。
「あそこは子供も小さいし手伝ってやれることは村人同士、皆で協力するもんだからな。」
昔は便利なものもないし、皆で協力して生きているんだろう。できることはやり、手伝ってもらえることは頼む。そんな生き方をして、皆支え合っているんだなあ。
「あの、フキさんの所へたまに行ってもいいですか?」
「なんだ、もう仲良くなったのか」
「その……子供の世話をしに」
「別に問題ないぞ。じゃが、あそこはお婆もいるし世話する人間はいると思ったが」
男性にはなんだか言いづらい。別に悪いことをしにいくわけじゃないが、母乳をあげにいくって言いづらすぎる。
だが言わないでせっかく頂いた仕事を、疑われて辞めさせられるのも困る。
仕方がないとうしおは恥ずかしいながらもお乳を分けにいくと伝える。さすがに胸当てをもらったからとは男性に伝えられないが…。
大木は一瞬固まったが、全く表情を変えずいつもの笑顔でそうか!と言っただけだった。
(…なんだか自分だけ意識しているみたいで恥ずかしいな…)
大木先生は忍だし、この程度のこと驚かないのだろうか。昔の人は自分より、ずっと大人だなあ。うしおは恥ずかしさで赤らめた頬をなんとか冷やそうと、両手を当てて落ち着ける。
(私も三十路の立派な大人なんだから、しっかりしなくちゃ)
うしおが作ってくれていた料理は、シンプルながらも美味しい。ただ、火の使い方は未だに慣れないようで、一緒に竃の火をつけて味噌汁を作った。
うしおは早く覚えようと真剣に手元を観察していた。
(真面目なやつだなあ)
大木は分かりやすいように説明しながら、使い方を教えた。
できあがった料理を食べながらうしおが今日あったことを報告する。なんだか業務報告のようで堅苦しかった。その様子もバカ真面目さが垣間見える。
(近所のフキとも仲良くなったのか。)
あそこは小さい子供もいて年齢も近いだろう。確か二十歳を少し超えたくらいだったか。村人と打ち解けようと頑張っているなと感心する。
子供の世話をしに行きたいといううしおに、人手は足りているのではと伝える。するとなぜか顔を赤らめ、話そうか悩んでいる様子だった。
(急にどうしたんだ?)
大木は不思議そうにうしおを見つめていると、決心がついたのかうしおは口を開いた。
「あの!…お乳を!あげにいきたくて…。フキさん出が悪くて、遠くまでもらいに行ってるって言ってたので。…ほら、わたしだったら近いし!ちょうどいいかなって!」
恥ずかしさのあまり、捲し立てるようにいううしお。
(あ、お乳をか……。って、そんなに恥ずかしいがらなくてもいいじゃろう)
自分が言わせて辱めているようだ。
薄暗くなった部屋で蝋燭の灯りに照らされ、顔を赤らめ両手で頬を抑え俯く姿が、なんだか加虐心をくすぐる。
(いかんいかん!ワシは元忍術学園の教師だぞ!)
生徒に三禁を教えていた自分が、雰囲気に流されてはならない。
うしおに悟られぬよう、いつもの笑顔でそうか!と返す。
大木は何食わぬ顔で食事を続けた。
うしおも何でもなさそうにご飯を口にしているが、まだ頬は赤いままだ。なんなら耳まで赤くなっている。
(……やっぱり忍のはずないな。分かりやすすぎる)
大木はくすりと笑うと、味噌汁をすすった。