ギラヒム短編集
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フィローネの森のシンボルとも言える大樹の上は、キュイ族も滅多に来ず、声もあまり届かない為、良い隠れ家となっていた。
そんな場所に来ると、どうにも歌が歌いたくなるのは何故だろうか。
これに関しては○○も例外ではなく、木の上で足を垂らし揺らして歌っていた。
しかし、この歌が後の騒ぎを引き起こす事になるとは、この時誰も予想だにしていなかった。
ギラヒムside
低級魔族共の相手をして、どうにも今日は疲れて○○に会いたくなった。
ダウジングをしてみるとフィローネの森に居るらしい。
ワタシは疲れた体を起こし、一秒でも早くと指を鳴らした。
フィローネの森に着くと、何やら微かに上の方から声が聞こえ、再びワタシは大樹の上へと瞬間移動する。
そこで聞いてしまった……ここに来た目的の……○○の……
「みっつ数えて彼女になったよ。よっつ数えて彼氏になってね。
今度会ったら何をしようか。
今度会ったらキスをしようか。
今度会ったら何をしようか。
今度会ったら………×××しよう。」
彼女になった……? 何時だ?
いつの間に虫がついた?
そんな奴今まで見なかった筈だ……まさか……あの小僧か?
しかも接吻どころか……交わろうと?
そんな事あってたまるか!! ワタシ以外のものになんてさせないからな!
気付けばワタシは……俺は、○○の後ろに移動していた。
「おい、誰の彼女になりやがった」
「大人しくそいつの名前を吐け」
冷静さなんて、魔族長としての威厳なんてとっくにかなぐり捨てた。
俺の耳にその名が知れた時、そいつの首は胴から離れてるだろう。
「え? なんの事?」
こいつ……今更とぼけようってか?
その事実に無性に腹が立った。
「とぼけてんじゃねぇよ、誰と接吻したって? そいつの名前を言えっていってるんだよ!」
「俺は今猛烈に機嫌が悪い! 大人しく言わないなら小僧から片っ端に殺していくぞ!!」
「待って待って待って!!! 本当に意味が……ってまさか歌の歌詞?!」
は? 今なんて言った? 歌の……歌詞?
「ちょっと待て、歌の歌詞ってなんだ」
「だから、こういう歌があるんだよ。人間の間ではさ!」
じゃあ、まだ誰とも付き合ってない……という事か?
「つまり、ワタシの勘違いだと?」
「そうそう! というか、まだファーストキスもしてないのに×××なんてする訳ないでしょ」
それを聞いた途端、ワタシは大きく息を吐く。
うるさい程に鳴っていた心臓のコアが、漸く落ち着きを取り戻しつつある証拠だった。
「誰とも付き合っていないのなら……」
ワタシは今回の事で確信した。
己が剣の精霊でありながらこの人間に恋をしている事を。
「……?」
「未だにフィローネの森以外ではすぐに迷子になるような君を、唯一幸せに出来るのはワタシだと思うが、どうだい?」
「……素直じゃないね。別にさ、他にもいるかもよ?」
「…………ワタシは○○が…………その……好きなんだよ。」
「だから?」
「付き合って……欲しい」
「……」
「ここまで言わせておいて黙るのかい?!」
「冗談だよ。喜んで!」
冗談なのにと笑う彼女が酷く愛おしく思えた。
ワタシに体温などある筈が無いのに、何故か顔が火照っている感覚がするのは何なのだろうか。
けれど、ワタシはこの時、マスターの復活の時よりも激しい喜びを感じている事は確かだった。
そして、そっと2つの影は重なり合った。
そんな場所に来ると、どうにも歌が歌いたくなるのは何故だろうか。
これに関しては○○も例外ではなく、木の上で足を垂らし揺らして歌っていた。
しかし、この歌が後の騒ぎを引き起こす事になるとは、この時誰も予想だにしていなかった。
ギラヒムside
低級魔族共の相手をして、どうにも今日は疲れて○○に会いたくなった。
ダウジングをしてみるとフィローネの森に居るらしい。
ワタシは疲れた体を起こし、一秒でも早くと指を鳴らした。
フィローネの森に着くと、何やら微かに上の方から声が聞こえ、再びワタシは大樹の上へと瞬間移動する。
そこで聞いてしまった……ここに来た目的の……○○の……
「みっつ数えて彼女になったよ。よっつ数えて彼氏になってね。
今度会ったら何をしようか。
今度会ったらキスをしようか。
今度会ったら何をしようか。
今度会ったら………×××しよう。」
彼女になった……? 何時だ?
いつの間に虫がついた?
そんな奴今まで見なかった筈だ……まさか……あの小僧か?
しかも接吻どころか……交わろうと?
そんな事あってたまるか!! ワタシ以外のものになんてさせないからな!
気付けばワタシは……俺は、○○の後ろに移動していた。
「おい、誰の彼女になりやがった」
「大人しくそいつの名前を吐け」
冷静さなんて、魔族長としての威厳なんてとっくにかなぐり捨てた。
俺の耳にその名が知れた時、そいつの首は胴から離れてるだろう。
「え? なんの事?」
こいつ……今更とぼけようってか?
その事実に無性に腹が立った。
「とぼけてんじゃねぇよ、誰と接吻したって? そいつの名前を言えっていってるんだよ!」
「俺は今猛烈に機嫌が悪い! 大人しく言わないなら小僧から片っ端に殺していくぞ!!」
「待って待って待って!!! 本当に意味が……ってまさか歌の歌詞?!」
は? 今なんて言った? 歌の……歌詞?
「ちょっと待て、歌の歌詞ってなんだ」
「だから、こういう歌があるんだよ。人間の間ではさ!」
じゃあ、まだ誰とも付き合ってない……という事か?
「つまり、ワタシの勘違いだと?」
「そうそう! というか、まだファーストキスもしてないのに×××なんてする訳ないでしょ」
それを聞いた途端、ワタシは大きく息を吐く。
うるさい程に鳴っていた心臓のコアが、漸く落ち着きを取り戻しつつある証拠だった。
「誰とも付き合っていないのなら……」
ワタシは今回の事で確信した。
己が剣の精霊でありながらこの人間に恋をしている事を。
「……?」
「未だにフィローネの森以外ではすぐに迷子になるような君を、唯一幸せに出来るのはワタシだと思うが、どうだい?」
「……素直じゃないね。別にさ、他にもいるかもよ?」
「…………ワタシは○○が…………その……好きなんだよ。」
「だから?」
「付き合って……欲しい」
「……」
「ここまで言わせておいて黙るのかい?!」
「冗談だよ。喜んで!」
冗談なのにと笑う彼女が酷く愛おしく思えた。
ワタシに体温などある筈が無いのに、何故か顔が火照っている感覚がするのは何なのだろうか。
けれど、ワタシはこの時、マスターの復活の時よりも激しい喜びを感じている事は確かだった。
そして、そっと2つの影は重なり合った。
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