運命の邂逅【女主】
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「蝙蝠の刺青を探しとるんは何でや」
「知りません、私は何も……あなた達は誰なんですか?」
「俺か?しょうもない男や、人ひとり殺すこともできん最低の……殺し屋や」
「嘘……」
「マキムラマコトを殺せと言われただけや、目が見えんことは知らされとらんかった。けど、お前を狙ろうとんのは俺だけやなかった、そこにおる女もお前を狙うとった」
「え、あなたも……?」
「何もしないから安心して。念の為確認だけどあなたはカタギで良いのよね?」
「カタギ?」
「ヤクザ関係者やないってことや」
「違います!」
「売春やヤクの売人なんかやってない?お店でヤクの売買は?」
「やってません!知りません!どうしてそんなこと聞くんですか!」
「嘘はついてないようね……」
「ほんならお前は一体何もんや。蝙蝠の刺青いうのはなんや?なんでそいつを探っとった?」
「いや!李さんは!?李さんに会わせて!!」
「李?」
「店長の名前や。店長はお前をさらいにきたヤクザに撃たれた」
「撃たれた!?」
「安心せぇ、撃たれる時急所外しとった、あの出血なら死なん。用が済んだら会わしたる。けどその前に知っとること洗いざらい話してもらうで、マキムラマコト」
彼女は黙り込んだ。
無言を貫ぬく彼女に眼帯の男は痺れを切しそうだ。
「お願い話して、貴女を助ける手掛かりになるかもしれない」
「私を殺しに来たんならなんで助けるの?なんで殺さないの?」
「お前は殺されたいんか?」
彼女は横に首を振って無言の否定をする。
「どのみちお前を生かしとることがバレたら俺ら全員殺される。せやけどお前が狙われとる理由が分かれば何とかなるかもしれん」
「蝙蝠の刺青を探してるのはどうして?貴女はその人を知ってるの?」
「その話は李さんが知ってます、李さんに話を聞いてください。そうすれば、わかりますから」
「その話早よ言えや!いくら急所外しとっても銃で撃たれたんや!出血多量で死んでしまうかもしれんやろ!」
「あなたさっき大丈夫って……」
「応急処置は?」
「そんな余裕あるかいな!嘘も方便や!ええか、死にたなかったらここから出るんやない。おい女、コイツを見張っとれ」
眼帯の男は足早に倉庫を出ていった。
シンとした倉庫に取り残された2人、椅子に腰掛けるとホコリが少し舞った。
「あの人はどこに?」
「店長を探しに行ったと思うよ」
「李さん……お願い生きてて」
「だいぶ店長を信頼してるのね」
「李さんは私を助けてくれたの、李さんは唯一信頼できる大切な人」
「そう、大丈夫よきっと」
「あなたはどうして私を殺さないの」
「マコトさんがカタギだから」
「そのカタギ、じゃなかったら?」
「殺してた。前金貰ってんのよ。でもあいつは私に嘘をついた、カタギだってこと隠してた」
「あいつって……?誰に頼まれたんですか」
「……知らない方がいい」
「私の知ってる人?」
「さぁ、どうだろう。とにかく私はマコトさんの味方、だから黙って守られてれば良いよ」
「私を殺さなかったら、あなたは殺されるの?」
「私を殺せる腕があればね、前金返せば話は終わりよ」
「どうして私が狙われてるの……本当に分からない」
彼女はそう言って俯いた。
私は依頼者に苛立っている、嘘を付かれては信用など無い。東京に戻って依頼者に話を着けなければいけないが、ここから離れることは難しい。
日が落ちて来た頃、男は戻ってきた。
「大人しくしとったか」
「李さんは?どうでした!?」
「無事や。あいつは1発2発撃たれたところで死ぬタマやないな。ピンピンしとった」
「そっか、良かった……。それじゃ……“あの話”も聞いたの?」
「あぁ」
李は『雀薔薇屋 』という名前の雀荘に身を隠していた。
表向きは雀荘だが、実際は中国人が利用する『病院』らしい、そこで治療も済ませていた。
マキムラマコトは蝙蝠の刺青の男に売り飛ばれそうになったところを、李がマコトを半年前に見つけて拾ってくれたのだという。
「長い事えらいめにおうとったんやな、お前。いや、今も似たようなもんか、自分を殺しに来たもんと倉庫に缶詰や」
「……何か分かった?」
「蝙蝠の刺青のことは多分コイツが狙われとる理由とちゃう」
「え、どういうこと?」
「李もそう言うとった」
依頼者と近江連合は関係ないということか。
振出しに戻った気分だった。
依頼者が5億も支払ってまで殺したい理由と、ヤクザ達が追っている理由は何なのだろうか。
「知りません、私は何も……あなた達は誰なんですか?」
「俺か?しょうもない男や、人ひとり殺すこともできん最低の……殺し屋や」
「嘘……」
「マキムラマコトを殺せと言われただけや、目が見えんことは知らされとらんかった。けど、お前を狙ろうとんのは俺だけやなかった、そこにおる女もお前を狙うとった」
「え、あなたも……?」
「何もしないから安心して。念の為確認だけどあなたはカタギで良いのよね?」
「カタギ?」
「ヤクザ関係者やないってことや」
「違います!」
「売春やヤクの売人なんかやってない?お店でヤクの売買は?」
「やってません!知りません!どうしてそんなこと聞くんですか!」
「嘘はついてないようね……」
「ほんならお前は一体何もんや。蝙蝠の刺青いうのはなんや?なんでそいつを探っとった?」
「いや!李さんは!?李さんに会わせて!!」
「李?」
「店長の名前や。店長はお前をさらいにきたヤクザに撃たれた」
「撃たれた!?」
「安心せぇ、撃たれる時急所外しとった、あの出血なら死なん。用が済んだら会わしたる。けどその前に知っとること洗いざらい話してもらうで、マキムラマコト」
彼女は黙り込んだ。
無言を貫ぬく彼女に眼帯の男は痺れを切しそうだ。
「お願い話して、貴女を助ける手掛かりになるかもしれない」
「私を殺しに来たんならなんで助けるの?なんで殺さないの?」
「お前は殺されたいんか?」
彼女は横に首を振って無言の否定をする。
「どのみちお前を生かしとることがバレたら俺ら全員殺される。せやけどお前が狙われとる理由が分かれば何とかなるかもしれん」
「蝙蝠の刺青を探してるのはどうして?貴女はその人を知ってるの?」
「その話は李さんが知ってます、李さんに話を聞いてください。そうすれば、わかりますから」
「その話早よ言えや!いくら急所外しとっても銃で撃たれたんや!出血多量で死んでしまうかもしれんやろ!」
「あなたさっき大丈夫って……」
「応急処置は?」
「そんな余裕あるかいな!嘘も方便や!ええか、死にたなかったらここから出るんやない。おい女、コイツを見張っとれ」
眼帯の男は足早に倉庫を出ていった。
シンとした倉庫に取り残された2人、椅子に腰掛けるとホコリが少し舞った。
「あの人はどこに?」
「店長を探しに行ったと思うよ」
「李さん……お願い生きてて」
「だいぶ店長を信頼してるのね」
「李さんは私を助けてくれたの、李さんは唯一信頼できる大切な人」
「そう、大丈夫よきっと」
「あなたはどうして私を殺さないの」
「マコトさんがカタギだから」
「そのカタギ、じゃなかったら?」
「殺してた。前金貰ってんのよ。でもあいつは私に嘘をついた、カタギだってこと隠してた」
「あいつって……?誰に頼まれたんですか」
「……知らない方がいい」
「私の知ってる人?」
「さぁ、どうだろう。とにかく私はマコトさんの味方、だから黙って守られてれば良いよ」
「私を殺さなかったら、あなたは殺されるの?」
「私を殺せる腕があればね、前金返せば話は終わりよ」
「どうして私が狙われてるの……本当に分からない」
彼女はそう言って俯いた。
私は依頼者に苛立っている、嘘を付かれては信用など無い。東京に戻って依頼者に話を着けなければいけないが、ここから離れることは難しい。
日が落ちて来た頃、男は戻ってきた。
「大人しくしとったか」
「李さんは?どうでした!?」
「無事や。あいつは1発2発撃たれたところで死ぬタマやないな。ピンピンしとった」
「そっか、良かった……。それじゃ……“あの話”も聞いたの?」
「あぁ」
李は『
表向きは雀荘だが、実際は中国人が利用する『病院』らしい、そこで治療も済ませていた。
マキムラマコトは蝙蝠の刺青の男に売り飛ばれそうになったところを、李がマコトを半年前に見つけて拾ってくれたのだという。
「長い事えらいめにおうとったんやな、お前。いや、今も似たようなもんか、自分を殺しに来たもんと倉庫に缶詰や」
「……何か分かった?」
「蝙蝠の刺青のことは多分コイツが狙われとる理由とちゃう」
「え、どういうこと?」
「李もそう言うとった」
依頼者と近江連合は関係ないということか。
振出しに戻った気分だった。
依頼者が5億も支払ってまで殺したい理由と、ヤクザ達が追っている理由は何なのだろうか。