運命の邂逅【女主】
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____1988年、大阪蒼天堀
新たな殺しの依頼を受けた。
対象者の名前は『マキムラマコト』という女性、依頼主からの情報はそれだけだった。
依頼を受けた際、こちらから提示している絶対条件がある。それは対象者が “カタギでない” こと。
一般人には手を出さない、それが私のルールだった。
それが何故情報が少なすぎる依頼を引き受けたのかというと、前金だけで5億受け取ってしまったからだ。欲が眩んだのは事実である。
しかも、『マキムラマコト』という人物は大阪の蒼天堀で薬の売人や売春を行っているらしい。
そういうことで蒼天堀にやってきたのだが、まあ探すのに苦労した。何せ名前と性別しかわからないのだから。
そんな中数ヶ月が経ったころ、やっと対象者を見つけ出した。
マキムラマコトはほぐし快館という整体院で働いていた。調べてみたところ如何わしい店ではなく口コミも悪くない普通の整体院だった。
なにかがおかしい。
そう思い始めたのはマキムラマコトを数日尾行したころだった。彼女は目が見えないらしい。
白杖を常に持ち歩いて行動している、さらに売春や薬の売買を行っている形跡がない。一体彼女は何者なのだろうか。
マキムラマコトは買い物を済ませほぐし快館に戻ってきた。暫く店から出てこないだろう。彼女が退社するまで店の外で監視する。今日は客があまり入っていないようだ。
外出していた店長が店に戻ってきて少し経った後だった。
チンピラ風貌の男5人がほぐし快館へ入っていく。ほぐし快館事態が売春や売買の拠点になっているのかもしれない。
そう思ったのも束の間、自体は急変する。
マキムラマコトがチンピラと店を出てきたが様子がおかしい。
チンピラに腕を掴まれ必死に抵抗しているが、どこかへ連れて行かれようとしている。
後を追おうとしたとき、眼帯をしたタキシードスーツの男が店から出てすぐ彼女を追いかけていった。
こんな男はチンピラの中にいなかった、この男はどこから現れたのか。
マキムラマコトに追いついた男はチンピラ達を呆気なく負かしてまう。
男は状況が読み込めず座り込んだマキムラマコトを支え、二人は人気の少ない場所へと歩いていった。
「何がどうなってんの……」
状況が理解できない。
登場人物全てが謎に包まれている。
人気のない裏路地で、眼帯をした男が対象者であるマキムラマコトにドスを向け、じっと女を見つめていた。
男は彼女を助けたのではなく獲物を逃したくなかっただけのようだ。
後をつけ身を隠して様子を伺っていたが、なかなか行動に移さない男に痺れを切らした私は男の足元に一発弾を撃ち込んだ。
「誰や!?」
「できないなら私がやろうか?」
「お前もコイツを狙うとるもんか」
「何ですか!?何が起きてるんですか!」
男の足にしがみつきながら対象者は怯えながら叫ぶ。
拳銃を対象者に向けると、男はしがみつく彼女を優しく足で振り払い、彼女を隠すように立ちはだかる。
「お前コイツのこと知っとるんか、コイツがマキムラマコトで間違いないんか」
「誰かも分からずソレ を抜いたの……?」
「……」
再びマキムラマコトに拳銃を向けると、男は戸惑う表情から一変、眉を吊り上げこちらに刃先を向けた。
「待てや!」
「待てとは?」
「本当にコイツをやる道理はあるんか」
ピリリとした空気が流れて沈黙が続く、それを破ったのは私だった。
「はぁ、ドス仕舞ってくれる?」
そう言って私も拳銃を腰にしまった。
男は状況が掴めないのかドスを掲げたまま戸惑っている。
「迷ってるようじゃあんたには無理。ここから近い隠れる場所ある?」
「はぁ?隠れる?」
「ここに居たってしょうがないでしょ、また追手が来る。彼女を隠さないと」
「お前はコイツを殺りにきたんちゃうんか」
「いいから、今は安全な場所に移動しないと!」
男は後ろを振り向くと、怯えて泣いている彼女を見下ろした。
「おい、立てるか」
「うぅ、はい……」
「あなた全盲?」
「光を感じる程度で、殆ど見えません」
男に支えられながら立ち上がる対象者は、私の声に反応して答えたが目線は合わなかった。
「俺は監視されとるが、隠れる場所なら当てが無いことはない」
「監視?」
「雇い主や、ずっと見られとる」
そう言って男は彼女を支えながら歩き始める。
公衆電話で誰かと話し終えたあと男の後に続くと、とある倉庫に辿り着いた。
新たな殺しの依頼を受けた。
対象者の名前は『マキムラマコト』という女性、依頼主からの情報はそれだけだった。
依頼を受けた際、こちらから提示している絶対条件がある。それは対象者が “カタギでない” こと。
一般人には手を出さない、それが私のルールだった。
それが何故情報が少なすぎる依頼を引き受けたのかというと、前金だけで5億受け取ってしまったからだ。欲が眩んだのは事実である。
しかも、『マキムラマコト』という人物は大阪の蒼天堀で薬の売人や売春を行っているらしい。
そういうことで蒼天堀にやってきたのだが、まあ探すのに苦労した。何せ名前と性別しかわからないのだから。
そんな中数ヶ月が経ったころ、やっと対象者を見つけ出した。
マキムラマコトはほぐし快館という整体院で働いていた。調べてみたところ如何わしい店ではなく口コミも悪くない普通の整体院だった。
なにかがおかしい。
そう思い始めたのはマキムラマコトを数日尾行したころだった。彼女は目が見えないらしい。
白杖を常に持ち歩いて行動している、さらに売春や薬の売買を行っている形跡がない。一体彼女は何者なのだろうか。
マキムラマコトは買い物を済ませほぐし快館に戻ってきた。暫く店から出てこないだろう。彼女が退社するまで店の外で監視する。今日は客があまり入っていないようだ。
外出していた店長が店に戻ってきて少し経った後だった。
チンピラ風貌の男5人がほぐし快館へ入っていく。ほぐし快館事態が売春や売買の拠点になっているのかもしれない。
そう思ったのも束の間、自体は急変する。
マキムラマコトがチンピラと店を出てきたが様子がおかしい。
チンピラに腕を掴まれ必死に抵抗しているが、どこかへ連れて行かれようとしている。
後を追おうとしたとき、眼帯をしたタキシードスーツの男が店から出てすぐ彼女を追いかけていった。
こんな男はチンピラの中にいなかった、この男はどこから現れたのか。
マキムラマコトに追いついた男はチンピラ達を呆気なく負かしてまう。
男は状況が読み込めず座り込んだマキムラマコトを支え、二人は人気の少ない場所へと歩いていった。
「何がどうなってんの……」
状況が理解できない。
登場人物全てが謎に包まれている。
人気のない裏路地で、眼帯をした男が対象者であるマキムラマコトにドスを向け、じっと女を見つめていた。
男は彼女を助けたのではなく獲物を逃したくなかっただけのようだ。
後をつけ身を隠して様子を伺っていたが、なかなか行動に移さない男に痺れを切らした私は男の足元に一発弾を撃ち込んだ。
「誰や!?」
「できないなら私がやろうか?」
「お前もコイツを狙うとるもんか」
「何ですか!?何が起きてるんですか!」
男の足にしがみつきながら対象者は怯えながら叫ぶ。
拳銃を対象者に向けると、男はしがみつく彼女を優しく足で振り払い、彼女を隠すように立ちはだかる。
「お前コイツのこと知っとるんか、コイツがマキムラマコトで間違いないんか」
「誰かも分からず
「……」
再びマキムラマコトに拳銃を向けると、男は戸惑う表情から一変、眉を吊り上げこちらに刃先を向けた。
「待てや!」
「待てとは?」
「本当にコイツをやる道理はあるんか」
ピリリとした空気が流れて沈黙が続く、それを破ったのは私だった。
「はぁ、ドス仕舞ってくれる?」
そう言って私も拳銃を腰にしまった。
男は状況が掴めないのかドスを掲げたまま戸惑っている。
「迷ってるようじゃあんたには無理。ここから近い隠れる場所ある?」
「はぁ?隠れる?」
「ここに居たってしょうがないでしょ、また追手が来る。彼女を隠さないと」
「お前はコイツを殺りにきたんちゃうんか」
「いいから、今は安全な場所に移動しないと!」
男は後ろを振り向くと、怯えて泣いている彼女を見下ろした。
「おい、立てるか」
「うぅ、はい……」
「あなた全盲?」
「光を感じる程度で、殆ど見えません」
男に支えられながら立ち上がる対象者は、私の声に反応して答えたが目線は合わなかった。
「俺は監視されとるが、隠れる場所なら当てが無いことはない」
「監視?」
「雇い主や、ずっと見られとる」
そう言って男は彼女を支えながら歩き始める。
公衆電話で誰かと話し終えたあと男の後に続くと、とある倉庫に辿り着いた。