第二話 未体験の知識
武の娘は穴を潜るシルヴィーを見送り、一度伸びをした。
雲一つない青空。天高く吹き上がる風が爽やかで、なんだか清々しい。
「う~ん!なんか良い事した!!」
「ほう?『良い事』とな?」
「!!?」
武の娘がギョッとして光の速さで振り返ると、
「こんな場所に穴が空いていたとはな…あとでヒサギに直させるか」
薄金の髪に鋭い水色の瞳。パリッと仕立てられた服、ブレず真っ直ぐな立ち姿──
「フ、フェルナンドぉぉおおおお!!!!」
「大声を出すな」
知国王子、フェルナンドが立っていた。
眉間の皺は今日も素晴らしく深い。
「い、いつから…!?」
「…さて、どうしたものか」
キョドキョドと慌てる武の娘を無視して、フェルナンドは腕を組み、顎に手を置いて考えるような姿勢をとった。
「彼女に用意した紅茶が無駄になってしまったな」
瞳を伏せると、少しわざとらしく続けた。
「責任は、やはり彼女を『襲おうとした』本人にとって貰わなければな」
「……へ」
武の娘は目を点にすると、動きを止めた。
その様子を確認するように、ゆっくりとフェルナンドは微笑を浮かべる。
「シルヴィー嬢は、貴様が殴ろうとした事により、この穴から城外へ避難した。それで相違ないな、ユラ?」
武の娘、ユラは一瞬頭がこんがらかったが…
「そーいないぞ!!」
とりあえず元気よく頷いた。
雲一つない青空。天高く吹き上がる風が爽やかで、なんだか清々しい。
「う~ん!なんか良い事した!!」
「ほう?『良い事』とな?」
「!!?」
武の娘がギョッとして光の速さで振り返ると、
「こんな場所に穴が空いていたとはな…あとでヒサギに直させるか」
薄金の髪に鋭い水色の瞳。パリッと仕立てられた服、ブレず真っ直ぐな立ち姿──
「フ、フェルナンドぉぉおおおお!!!!」
「大声を出すな」
知国王子、フェルナンドが立っていた。
眉間の皺は今日も素晴らしく深い。
「い、いつから…!?」
「…さて、どうしたものか」
キョドキョドと慌てる武の娘を無視して、フェルナンドは腕を組み、顎に手を置いて考えるような姿勢をとった。
「彼女に用意した紅茶が無駄になってしまったな」
瞳を伏せると、少しわざとらしく続けた。
「責任は、やはり彼女を『襲おうとした』本人にとって貰わなければな」
「……へ」
武の娘は目を点にすると、動きを止めた。
その様子を確認するように、ゆっくりとフェルナンドは微笑を浮かべる。
「シルヴィー嬢は、貴様が殴ろうとした事により、この穴から城外へ避難した。それで相違ないな、ユラ?」
武の娘、ユラは一瞬頭がこんがらかったが…
「そーいないぞ!!」
とりあえず元気よく頷いた。