第二話 未体験の知識
知国ケフラー城は簡素…否、無駄がない。
大理石の廊下は淡く輝き、展示されている調度品は多すぎずシンプルな色でまとめられている。
シャンデリアも窓から差す光で輝いているが、派手過ぎな印象も与えず、控え目だ。
「こちらでお待ちください」
城のメイドはシルヴィーと母親を中庭のテーブルまで案内すると、恭しく頭を下げてからその場を立ち去った。
よく躾けられたメイドだと感心していると、隣の母が肩を叩いた。
「私は王と面会して来ますわ。すでにルイス…お父様が行っていますけど…あの人だけだと心配ですからね。先日の謝罪も含めて会ってきます」
「それでしたら私も──」
「あなたはここでフェルナンド様をお待ちなさい。いいですね、粗相のないようにしますのよ」
母はシルヴィーの言葉を遮り、言うことだけ言うとスタスタと城内へと入って行ってしまった。
残されたシルヴィーは椅子に腰掛け、一人溜息を吐いた。
「(今日こそはフェルナンド様にお会いして、婚姻の段取りを話し合わなければ…)」
そう考えると、シルヴィーの胸が少し重くなった。
許嫁に会うのは当たり前だ。
婚約して、挙式の約束もしなければ。
滞りなく国が繁栄する為に──会わなければ。
しかし、頭で繰り返し考えても浮かぶのは許嫁の顔ではなかった。
大理石の廊下は淡く輝き、展示されている調度品は多すぎずシンプルな色でまとめられている。
シャンデリアも窓から差す光で輝いているが、派手過ぎな印象も与えず、控え目だ。
「こちらでお待ちください」
城のメイドはシルヴィーと母親を中庭のテーブルまで案内すると、恭しく頭を下げてからその場を立ち去った。
よく躾けられたメイドだと感心していると、隣の母が肩を叩いた。
「私は王と面会して来ますわ。すでにルイス…お父様が行っていますけど…あの人だけだと心配ですからね。先日の謝罪も含めて会ってきます」
「それでしたら私も──」
「あなたはここでフェルナンド様をお待ちなさい。いいですね、粗相のないようにしますのよ」
母はシルヴィーの言葉を遮り、言うことだけ言うとスタスタと城内へと入って行ってしまった。
残されたシルヴィーは椅子に腰掛け、一人溜息を吐いた。
「(今日こそはフェルナンド様にお会いして、婚姻の段取りを話し合わなければ…)」
そう考えると、シルヴィーの胸が少し重くなった。
許嫁に会うのは当たり前だ。
婚約して、挙式の約束もしなければ。
滞りなく国が繁栄する為に──会わなければ。
しかし、頭で繰り返し考えても浮かぶのは許嫁の顔ではなかった。