第一話 始まりの一織り
一瞬何が起きたか理解出来なかった。しかし、体だけは動いていた。
「アテナっ!!!」
大鍋から距離を取るヒサギを尻目に、ザードは鍋へ大剣を振るった。鍋は真っ二つにされ、中から湯気をなお出し続ける大量の水が流れ出てきた。
民衆は大鍋から流れ出る水から逃げ惑い、悲鳴を上げる。その混乱の中、ザードだけは斬った鍋へ駆け寄り目配せしていた。
どこだっ!どこだどこだどこだどこだどこ…──!
ザードは倒れた青い髪の女性を視界に捉えた。
以前裏庭で寝落ちていた姿とは違い、力なくぐったりとしており、ザードの血の気は引いた。
「アテナっ!!!」
ザードはアテナの元へ駆け寄り、すぐに細い体を抱き締めた。
「アテナ!死ぬな…アテナ!!!」
お願いだ…死なないでくれ…
ザードは力いっぱいアテナの事を抱き締めつつ、祈った。
思えば自分は奪う事しかしてこなかった。歯向かってくる奴も命乞いしてくる奴も、全て斬ってきた。
失いたくないと初めて思えたヒルデも、自分を庇って死んだのだ。
だからもう失いたくない。もっと笑顔を見ていたい。側にいてほしい。
「アテナ…」
大切な物を失う恐怖で体が震える。胸の鼓動がまるで、自分のものでないかのような………………ような…?
「…苦しい…です」
「……は?」
ザードは自分の胸でもがくアテナに今更気付いた。
「アテナっ!!!」
大鍋から距離を取るヒサギを尻目に、ザードは鍋へ大剣を振るった。鍋は真っ二つにされ、中から湯気をなお出し続ける大量の水が流れ出てきた。
民衆は大鍋から流れ出る水から逃げ惑い、悲鳴を上げる。その混乱の中、ザードだけは斬った鍋へ駆け寄り目配せしていた。
どこだっ!どこだどこだどこだどこだどこ…──!
ザードは倒れた青い髪の女性を視界に捉えた。
以前裏庭で寝落ちていた姿とは違い、力なくぐったりとしており、ザードの血の気は引いた。
「アテナっ!!!」
ザードはアテナの元へ駆け寄り、すぐに細い体を抱き締めた。
「アテナ!死ぬな…アテナ!!!」
お願いだ…死なないでくれ…
ザードは力いっぱいアテナの事を抱き締めつつ、祈った。
思えば自分は奪う事しかしてこなかった。歯向かってくる奴も命乞いしてくる奴も、全て斬ってきた。
失いたくないと初めて思えたヒルデも、自分を庇って死んだのだ。
だからもう失いたくない。もっと笑顔を見ていたい。側にいてほしい。
「アテナ…」
大切な物を失う恐怖で体が震える。胸の鼓動がまるで、自分のものでないかのような………………ような…?
「…苦しい…です」
「……は?」
ザードは自分の胸でもがくアテナに今更気付いた。