第二話 未体験の知識

"花嫁"は従者に手を引かれ、城正面のバルコニーへ移動した。
民衆達は"花嫁"の姿を見つけると、一層歓喜に沸き、祝福の拍手を贈った。

挙式の為に特別に組まれたのだろう。
まるで劇場のような円形状に舞台が組まれている。
バルコニーの真下には式用のステージ。ステージの前には民衆が立ち見する場所が見える。
そして左右のには王族や貴族用の曲線を沿って張り出したバルコニー席がある。
──どうやら右手が王族席のようだ。
各国の王位継承者である王子達が座っている。
…拍手をしてくれているのは青い髪の女性だけだ。武工創の王子三人は腕を組んで睨んでいたり、そっぽをむいてたり、欠伸をしている。

国王達の姿は見えない。恐らく自分の後ろでこの後の挨拶に待機しているのだろう。

──準備は完璧だ。

再び視線を王子達に向けると、先程別れた"農国王子"が戻ってきていた。
その距離は遠く、表情は見えない。
"花嫁"はずっと続いている胸の痛みに眉を下げた。
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