第二話 未体験の知識
シルヴィーは走った。全力に、息の続く限り。
風を切り、地面を蹴った。
「はぁはぁっ…!も、もうダメ…」
── 一分だけ。
「そ、そもそも、徒歩で隣国の城へ行こうとするのが間違ってる!!」
五つ国の城同士、隣国だとしても結構な距離があったりする。一番近い同士の武と創の城とて歩いて半日かかってしまうくらいだ。
さらに…
「農国は五つ国中一番広い事も忘れていた…」
…ようするに、
「迷った」
通常、城から城への道は石畳で繋がっている。なので、シルヴィーは知城から抜け出した後こっそりと国境迄の馬車へ乗り込み、農国の城へ向かおうと思っていたのだが──農国に入った後は石畳も案内板も無く、何と国の出入りには必須のはずの関所や関門さえ無かった。
"ここから農国イエソド"というシンプル過ぎる木看板が道端に落ちているのを見た時は目眩さえ感じた。
仕方なく整備されていない土道を進む事にしたが、途中何度も分かれ道があり、さっぱり道が分からなくなってしまった。
一応来た道は覚えているが、戻ってしまったら城を抜け出してきた意味が無い。
シルヴィーは自身を奮い立たせ、強い眼差しを正面に向けた。
目の前には深い森。薄暗さはないが、人の手が入っていないようで鬱蒼としている。
森の向こうがどこに繋がっているか、分からないが…進まなければ"彼に会う事が出来ない"
「よし…!前進あるのみよ、シルヴィー」
気合いを入れ、シルヴィーは森を進みだした。
風を切り、地面を蹴った。
「はぁはぁっ…!も、もうダメ…」
── 一分だけ。
「そ、そもそも、徒歩で隣国の城へ行こうとするのが間違ってる!!」
五つ国の城同士、隣国だとしても結構な距離があったりする。一番近い同士の武と創の城とて歩いて半日かかってしまうくらいだ。
さらに…
「農国は五つ国中一番広い事も忘れていた…」
…ようするに、
「迷った」
通常、城から城への道は石畳で繋がっている。なので、シルヴィーは知城から抜け出した後こっそりと国境迄の馬車へ乗り込み、農国の城へ向かおうと思っていたのだが──農国に入った後は石畳も案内板も無く、何と国の出入りには必須のはずの関所や関門さえ無かった。
"ここから農国イエソド"というシンプル過ぎる木看板が道端に落ちているのを見た時は目眩さえ感じた。
仕方なく整備されていない土道を進む事にしたが、途中何度も分かれ道があり、さっぱり道が分からなくなってしまった。
一応来た道は覚えているが、戻ってしまったら城を抜け出してきた意味が無い。
シルヴィーは自身を奮い立たせ、強い眼差しを正面に向けた。
目の前には深い森。薄暗さはないが、人の手が入っていないようで鬱蒼としている。
森の向こうがどこに繋がっているか、分からないが…進まなければ"彼に会う事が出来ない"
「よし…!前進あるのみよ、シルヴィー」
気合いを入れ、シルヴィーは森を進みだした。