Esperanza Leon(完結)
━…
ひんやりとした空気が頬を撫で、体全体を包みこむ。
うすぼんやりとした意識の中、早朝特有の澄んだ空気が鼻を通り、脳へ信号を送る。
『起きろ』と。
レオはゆっくりと体を起こした。
薄い布がかけられていたとはいえ、全身冷え切っている。
すぐに火を熾したいところだが、すでに蝋燭は燃え尽き、湿気っていた。
仕方なく自分の衣服に手を伸ばす。
武国は温暖な気候だがレオは寒がりだ。
早朝の冷たい空気に素肌を晒したくはなかったが…服を着なければこの場所から出る事も出来ない。
それに、素肌を晒したまま誰かに見つかってしまったら…それこそ末代まで笑い者だ。
…逃避するように、考えないように身支度を整える──のだが、しかし…
視線で彼女を探してしまう。
分かっているのに。
顔を動かし、体の向きを変えるたび胸が締め付けられる。
苦しくなる。
意識しないようにしているはずなのに…
昨日のうちに決心したはずなのに…
レオは微かに何かを呟いたが、その言葉は冷たい風の音でかき消されてしまった──
レオは辺りにたちこめていた霧が晴れると共に外へと踏み出した。
いつまでも穴の中にいるわけにもいかない。
レオは二、三歩歩を進め、空を見上げた。
…朝にも拘らず日差しが眩しい。
どうやら昨日までの嵐は過ぎ去り、晴天となったようだ。
しかしながら…戦いが行われた同じ場所とは思えない位周りは静まっていた。
恐らく戦いに一段落ついたのだろうとは思うが…血の臭いも微かにしかしないとはどういう事だろうか…
負傷者が少なかった?
はたまた風が臭いを運び去ったか?
──昨日戦った剣士、ユエを退けた時点で戦いが終わっていたとしたら…
─あの男がこの反乱戦の主犯格だったとして、あのまま戦いを続けられただろうか?
…無理だろう…
カガリと呼ばれていた女性を抱き起こし、涙を流していた…到底戦える状態ではなかった。
もし、アレが自分だったら…すぐに彼女の手当てへと走るだろう。
計画の先導者がいなくなっては周りも引くしかない。
と、すると今のように静まり返り、血の臭いがほぼしないというのも納得できる。
──奴が主犯の場合だが…
戦いが終わり、人がいないとなると…とにかく城へと戻るしかない。
それに…リザが無事なのかも心配だ。
レオは城へと進む足を速めた。
ひんやりとした空気が頬を撫で、体全体を包みこむ。
うすぼんやりとした意識の中、早朝特有の澄んだ空気が鼻を通り、脳へ信号を送る。
『起きろ』と。
レオはゆっくりと体を起こした。
薄い布がかけられていたとはいえ、全身冷え切っている。
すぐに火を熾したいところだが、すでに蝋燭は燃え尽き、湿気っていた。
仕方なく自分の衣服に手を伸ばす。
武国は温暖な気候だがレオは寒がりだ。
早朝の冷たい空気に素肌を晒したくはなかったが…服を着なければこの場所から出る事も出来ない。
それに、素肌を晒したまま誰かに見つかってしまったら…それこそ末代まで笑い者だ。
…逃避するように、考えないように身支度を整える──のだが、しかし…
視線で彼女を探してしまう。
分かっているのに。
顔を動かし、体の向きを変えるたび胸が締め付けられる。
苦しくなる。
意識しないようにしているはずなのに…
昨日のうちに決心したはずなのに…
レオは微かに何かを呟いたが、その言葉は冷たい風の音でかき消されてしまった──
レオは辺りにたちこめていた霧が晴れると共に外へと踏み出した。
いつまでも穴の中にいるわけにもいかない。
レオは二、三歩歩を進め、空を見上げた。
…朝にも拘らず日差しが眩しい。
どうやら昨日までの嵐は過ぎ去り、晴天となったようだ。
しかしながら…戦いが行われた同じ場所とは思えない位周りは静まっていた。
恐らく戦いに一段落ついたのだろうとは思うが…血の臭いも微かにしかしないとはどういう事だろうか…
負傷者が少なかった?
はたまた風が臭いを運び去ったか?
──昨日戦った剣士、ユエを退けた時点で戦いが終わっていたとしたら…
─あの男がこの反乱戦の主犯格だったとして、あのまま戦いを続けられただろうか?
…無理だろう…
カガリと呼ばれていた女性を抱き起こし、涙を流していた…到底戦える状態ではなかった。
もし、アレが自分だったら…すぐに彼女の手当てへと走るだろう。
計画の先導者がいなくなっては周りも引くしかない。
と、すると今のように静まり返り、血の臭いがほぼしないというのも納得できる。
──奴が主犯の場合だが…
戦いが終わり、人がいないとなると…とにかく城へと戻るしかない。
それに…リザが無事なのかも心配だ。
レオは城へと進む足を速めた。
