Esperanza Leon(完結)
しばらく走り続けると、二人はいつの間にか創国の端へと辿りついていた。
端とはいえ、そこは古い住宅街となっており、身を隠せる場所にはピッタリだった。
レオはリーフを降ろすと、レンガで出来た家の壁に手を付き、肩で息をした。
…リーフ自体は軽くても服の重さがある為、流石のレオでも息が切れてしまう。
まだまだ精進が足りない、とレオは反省した。
「レオ大丈夫??」
リーフはレオの背中をさすりながら心配そう…でもない声を出した。
何となく笑っているように聞こえるのはレオの意識が耳に集中していない為だと信じたい。
「あー、それにしてもおかしかったぁ!僕達まるで童話の王子様とお姫様みたいだったよねぇ?」
「……む」
「追われ狙われるお姫様…それを助け連れ出してくれる王子様…素敵だよねぇ」
リーフはレオの荒い息を気にせず、クルクル回ってスカートをはためかせた。
「オウジサマはいつだって、オヒメサマの味方…そう、物語はいつだってオヒメサマに優しい」
「…リーフ?」
「でも、僕達には優しくない。どうしてかなぁ?ねぇ、レオ?僕達とオヒメサマは何が違うの?どうして僕達ばっかり……逃げなくちゃいけないの?」
「…そうだな」
レオはリーフの顔を見る事が出来なかった。
声は悲しそうなのに、顔はニッコリ微笑んでいる。
そんな矛盾が何故か怖くてたまらなかった。
目を背けるレオを気にせず、リーフは独り言のように続けた。
「僕達何か悪いことしたかなぁ?僕もレオも、皆一生懸命お勉強して、働いて、皆の期待に応えようとしていたよね。御父様達も本当に立派な人だった。厳しかったけど、頑張ると褒めてくれたのに、国の人達にも凄く凄く好かれていたのに…ねぇ、何か悪いことした?どうして死んだの?どうして殺されたの?どうして僕達こんなことしているの?どうして僕達が国王になっちゃったの?どうしてどうし」
「リーフ」
レオはリーフの肩を軽く掴んだ。
先程抱き上げた時も思ったが…なんて細い体なのだろう。
何故女性用のドレスが着れているのか、理解してしまった。
「リーフ…帰ろう」
「…帰っちゃうの?」
「腹も減ったし、きっとそっちの城の者も心配しているだろうしな」
「心配…してるかなぁ?」
「しているさ。リーフが元気でないと皆も元気を失くしてしまうぞ」
「……今朝アイカに怒られちゃったし…僕嫌われちゃったよ」
「どうして怒られたんだ?」
「…朝食残したから…僕最近お腹空かないし」
「それこそリーフを心配しているから怒ったんだ」
子供のようにショボンと俯くリーフをレオは優しく撫でた。
「私だって、リーフが何も食べないと心配するし、ラルゴがそれ聞いたら説教すると思う…全部お前を思っての事なんだからな」
「…『僕』を心配してくれてるの?それとも……ううん、なんでもない…」
リーフは一瞬泣きそうな視線をレオに向けるが、すぐに笑みを浮かべた。
「そうだよね。うん。心配させちゃいけないんだよね。分かった、じゃあ帰ろうか」
「ああ」
「国境まで送るよ。大丈夫、僕が言えば通行禁止なのも通してくれるから。僕、『王様』だもんね」
リーフは再びレオの腕を掴むと、歩き出した。
今の事が何もなかったかのように、鼻歌まで歌っている。
…何だか何人もの人間を相手にしているようだ…
レオは内心溜息を吐きつつ、目を細めた。
端とはいえ、そこは古い住宅街となっており、身を隠せる場所にはピッタリだった。
レオはリーフを降ろすと、レンガで出来た家の壁に手を付き、肩で息をした。
…リーフ自体は軽くても服の重さがある為、流石のレオでも息が切れてしまう。
まだまだ精進が足りない、とレオは反省した。
「レオ大丈夫??」
リーフはレオの背中をさすりながら心配そう…でもない声を出した。
何となく笑っているように聞こえるのはレオの意識が耳に集中していない為だと信じたい。
「あー、それにしてもおかしかったぁ!僕達まるで童話の王子様とお姫様みたいだったよねぇ?」
「……む」
「追われ狙われるお姫様…それを助け連れ出してくれる王子様…素敵だよねぇ」
リーフはレオの荒い息を気にせず、クルクル回ってスカートをはためかせた。
「オウジサマはいつだって、オヒメサマの味方…そう、物語はいつだってオヒメサマに優しい」
「…リーフ?」
「でも、僕達には優しくない。どうしてかなぁ?ねぇ、レオ?僕達とオヒメサマは何が違うの?どうして僕達ばっかり……逃げなくちゃいけないの?」
「…そうだな」
レオはリーフの顔を見る事が出来なかった。
声は悲しそうなのに、顔はニッコリ微笑んでいる。
そんな矛盾が何故か怖くてたまらなかった。
目を背けるレオを気にせず、リーフは独り言のように続けた。
「僕達何か悪いことしたかなぁ?僕もレオも、皆一生懸命お勉強して、働いて、皆の期待に応えようとしていたよね。御父様達も本当に立派な人だった。厳しかったけど、頑張ると褒めてくれたのに、国の人達にも凄く凄く好かれていたのに…ねぇ、何か悪いことした?どうして死んだの?どうして殺されたの?どうして僕達こんなことしているの?どうして僕達が国王になっちゃったの?どうしてどうし」
「リーフ」
レオはリーフの肩を軽く掴んだ。
先程抱き上げた時も思ったが…なんて細い体なのだろう。
何故女性用のドレスが着れているのか、理解してしまった。
「リーフ…帰ろう」
「…帰っちゃうの?」
「腹も減ったし、きっとそっちの城の者も心配しているだろうしな」
「心配…してるかなぁ?」
「しているさ。リーフが元気でないと皆も元気を失くしてしまうぞ」
「……今朝アイカに怒られちゃったし…僕嫌われちゃったよ」
「どうして怒られたんだ?」
「…朝食残したから…僕最近お腹空かないし」
「それこそリーフを心配しているから怒ったんだ」
子供のようにショボンと俯くリーフをレオは優しく撫でた。
「私だって、リーフが何も食べないと心配するし、ラルゴがそれ聞いたら説教すると思う…全部お前を思っての事なんだからな」
「…『僕』を心配してくれてるの?それとも……ううん、なんでもない…」
リーフは一瞬泣きそうな視線をレオに向けるが、すぐに笑みを浮かべた。
「そうだよね。うん。心配させちゃいけないんだよね。分かった、じゃあ帰ろうか」
「ああ」
「国境まで送るよ。大丈夫、僕が言えば通行禁止なのも通してくれるから。僕、『王様』だもんね」
リーフは再びレオの腕を掴むと、歩き出した。
今の事が何もなかったかのように、鼻歌まで歌っている。
…何だか何人もの人間を相手にしているようだ…
レオは内心溜息を吐きつつ、目を細めた。
