このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

Esperanza Leon(完結)

コレが夢なのか、現実なのか…考える事などとうの昔にやめてしまった。
昔…?
昔とはいつからなのか?
つい先程父の死を聞かされたような気がする。
嗚呼…時間を把握できない。
考える暇もない。
次から次へと私を殺しにやってくる。
耳鳴りが酷くなったのは、何人目からだろう?
相手の叫び声は耳鳴りのおかげでかき消された。
どこか遠くで『助けにきた』と聞こえた気がするが、どうせ都合のいい罠だ。
言葉とは裏腹に剣を私に向けてくる。
兵士同士で争っている。
私の命を奪う権利を奪い合うように争っている。
『逃げろ』と言われたが、私は逃げない。
逃げて背をお前に刺されてしまうのが嫌だから、先に殺った。
終わらない。
どうして玉座が欲しいのか?
どうして私を殺したいのか?
終わらない。
私に背を向けて逃げるフリをして、仲間を呼ぶのだろう。
命乞いをするフリをして、私を油断させている。
私の味方のフリをして隙を狙っている。
そこまでして国が欲しいのか?
そこまでして私が生きることを否定するのか
私は知っている。

この国全員が、私を殺そうとしているのを

これは現実だろう。
しかし夢かもしれない。
分からない。
父が死んだのは現実……いや夢だ。
城の兵士や領主を皆殺しにしたのは夢……現実だ。
生臭い匂いが全身を包む。
血の匂いだ。
私の血ではない。
全身が痛む。
吐きそうになる。
耳鳴りが酷い。
目眩が酷い。
どうして城の中は静かなのだろう?
腹も減ってきた。
父はまだ帰って来ないのだろうか?
煩い声が懐かしい。
土産はどうせまた、カジキだろう。
もう食べ飽きたといつも言っているのにいつも私に食べさせる。
食べ飽きたのに、美味しい。
美味しいと言うと父はもっと食えと言う。
自身の為に捕って来たのに私にばかり食べさせる。
食べきれなくても、食べさせる。
自分は小さい魚しか食べないで私ばかり見て笑っている。
私は
そんな父の隣が好きだった。
周りで楽しそうに歌い騒ぐ兵士達が好きだった。
そして…嬉しそうに笑ってくれるアイツが好きだった。

早くこの夢から覚めて
また皆で
9/42ページ