Esperanza Leon(完結)
───……
玉座に気を失ったレオが横たわっている。
手加減は出来なかったが…骨は折れていないだろう。理性…を失っていたとしても、本能的に受け身はとれるはず、だと信じたいが…
リザは肩で息をしながら手に持つアックスを見つめた。柄の部分に少しヒビが入ってしまっている…子供とはいえ、レオの体を思い切り吹っ飛ばしたのだ、柄も耐えきれなかったのかもしれない。
「レオ様…!」
リザは警戒しつつ、玉座へ近付いた。遠くから見ると、レオはピクリとも動かなかったが、幸い近付いてみると気絶しているだけだった。
…どうやら今の衝撃での気絶だけではないようだ。体を揺らして声をかけるが、反応はない。張り詰めていた緊張と疲労が溜まり、深い眠りについてしまっているのかもしれない。リザが髪に触れても、レオは目を開かなかった。
――顔は血で薄汚れている。顔だけではない、体中赤黒く染まっている。光の下だと太陽のように輝く金茶の髪が、今は影を落としていた。
「リザ!!」
「…隊長」
部屋外から数人の足音が聞こえたと思うと、振り返る間もなく兵士が雪崩込んできていた。
「レオ様はご無事か!?」
「…はい、今は気を失っています」
リザは隊長達にヒビの入ったアックスの柄を見せながら言った。しかし、視線だけはレオから離さない。
また、いつ起きてしまうか分からない…危険だから、ではない…ただ傍にいてやりたかった。
隊長はゆっくりと息を吐くと、その場をグルリと見回した。他の兵士達もそれぞれに生存者がいないか見回っている。そんな者はいないと分かりながら…
「…カジキ様が崩御なされた…」
隊長はポツリと呟いた。だが、シンと静まりかえる間で誰一人と動揺する者がいない。
━分かっていた事だった…
「…はい、存じています。カマル近衛兵長殿から聞きました」
「……そうか…女神も無慈悲な事をするものだ」
「ええ」
隊長も城の惨劇がどのようにして起こってしまったのか…理解しているようだった。
そして同時に悔いている。
自分達、見回りの兵が城に残っていればこんな事にはならなかったかもしれない。
確かに王の死の混乱とレオへの攻撃は避けられないだろうが…こんなに大量の死亡者を出す事はなかった…かもしれない。
否、
同じだったかもしれない。
リザは悔いる隊長を横目に、玉座に横たわるレオへ異様な視線を送る兵士達を見逃さなかった。
玉座に気を失ったレオが横たわっている。
手加減は出来なかったが…骨は折れていないだろう。理性…を失っていたとしても、本能的に受け身はとれるはず、だと信じたいが…
リザは肩で息をしながら手に持つアックスを見つめた。柄の部分に少しヒビが入ってしまっている…子供とはいえ、レオの体を思い切り吹っ飛ばしたのだ、柄も耐えきれなかったのかもしれない。
「レオ様…!」
リザは警戒しつつ、玉座へ近付いた。遠くから見ると、レオはピクリとも動かなかったが、幸い近付いてみると気絶しているだけだった。
…どうやら今の衝撃での気絶だけではないようだ。体を揺らして声をかけるが、反応はない。張り詰めていた緊張と疲労が溜まり、深い眠りについてしまっているのかもしれない。リザが髪に触れても、レオは目を開かなかった。
――顔は血で薄汚れている。顔だけではない、体中赤黒く染まっている。光の下だと太陽のように輝く金茶の髪が、今は影を落としていた。
「リザ!!」
「…隊長」
部屋外から数人の足音が聞こえたと思うと、振り返る間もなく兵士が雪崩込んできていた。
「レオ様はご無事か!?」
「…はい、今は気を失っています」
リザは隊長達にヒビの入ったアックスの柄を見せながら言った。しかし、視線だけはレオから離さない。
また、いつ起きてしまうか分からない…危険だから、ではない…ただ傍にいてやりたかった。
隊長はゆっくりと息を吐くと、その場をグルリと見回した。他の兵士達もそれぞれに生存者がいないか見回っている。そんな者はいないと分かりながら…
「…カジキ様が崩御なされた…」
隊長はポツリと呟いた。だが、シンと静まりかえる間で誰一人と動揺する者がいない。
━分かっていた事だった…
「…はい、存じています。カマル近衛兵長殿から聞きました」
「……そうか…女神も無慈悲な事をするものだ」
「ええ」
隊長も城の惨劇がどのようにして起こってしまったのか…理解しているようだった。
そして同時に悔いている。
自分達、見回りの兵が城に残っていればこんな事にはならなかったかもしれない。
確かに王の死の混乱とレオへの攻撃は避けられないだろうが…こんなに大量の死亡者を出す事はなかった…かもしれない。
否、
同じだったかもしれない。
リザは悔いる隊長を横目に、玉座に横たわるレオへ異様な視線を送る兵士達を見逃さなかった。
