ハンター試験編
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協会からの電話やブハラの忠言に耳を貸さず、合格者を出さないと言い張るメンチを宥めるためにネテロ会長がやって来た。ハンター協会の会長というのはやはりハンターにとってはすごい立場なのだろう。緊張を滲ませて会長に相対したメンチは、自分の決断が理不尽だということを些か感じていたらしく審査員辞退を申し出た。
「スイマセン!料理のこととなると我を忘れるんです。審査員失格ですね。私は審査員を降りますので試験は無効にして下さい」
メンチは潔く自分が審査員を降りることで責任をとろうとしたけれど、最終的な判断は会長によるところとなった。そして会長の提案により審査員と受験者の両者が納得できる形に収まることになった。
「よし!ではこうしよう。審査員は続行してもらう。そのかわり新しいテストには審査員の君にも実演という形で参加してもらう____というのでいかがかな」
そして出された新たな課題は読者のよく知るところのゆで卵。飛行船で山の頂上に連れていかれた私達の目の前には、先の見えない大渓谷があったのだった。
「この山のどこに卵があるんだろうね。オレの目けっこういいのに見つからないや」
「山の上にないってことは___あ、二人とも見とけよ。審査員の実力、見せてもらおうぜ」
「……うん」
実際生で見ると恐ろしさが半端ではない。靴下を脱いで準備を進めるメンチに私は半ば腰が引けていた。思わずキルアの服の裾を掴むと、怖いのかよ、とからかい混じりに笑われる。小さく頷いた。素直に認めて拍子抜けしたのだろうか。目を丸くしたキルアに頭を撫でられた。年下に心配されている情けなさも目の前の恐怖には叶わない。
そうこうしているうちにメンチの準備は終わったらしい。落ちたら数十km先の海までノンストップ。そんな笑えない説明をかましたメンチはそれじゃお先に、なんて軽く言って大渓谷に飛び込んで行ったのだった。
課題の正体はマフタツ山に生息するクモワシの卵。クモワシは陸の獣から卵を守るため谷の間に丈夫な糸を張り卵をつるしておく。その糸にうまくつかまり、一つだけ卵をとり、岩壁をよじ登って戻ってくる。
会長の説明と共に戻ってきたメンチは笑顔を崩さず余裕だ。
「よっと。この卵でゆで卵を作るのよ」
この時点で誰が合格するのかはわかりきったものだ。臆さない受験生と臆す受験生。私の隣にいる彼らが前者であることはここに来る前から決まっていた。
「あーよかった」
「こーゆーのを待ってたんだよね」
辞退しようか、そんな思いが半分ある私の手をキルアは掴んだ。
「走るのやら民族料理よりよっぽど早くてわかりやすいぜ」
レオリオの言葉を最後に再試験がスタートする。
「よっしゃ行くぜ!」
誰の声でもない。みんなの声の代弁だ。
「そりゃあーーー!!」
勢いよく飛び出していく臆さない者達。そんな中、キルアに引っ張られて飛び出した私の心中は決して穏やかなものではなかった。
「(死ぬこれは死ぬやつ)」
重力に従って落ちていく身体。臓物が浮き上がる感覚は、安全が確認されていない時点でジェットコースターの何倍も性質が悪い。
今だ私の手を離さないでいてくれるキルアを縋るように見やる。もしものことを考えると目を閉じるのさえ怖かった。
キルアはそんな私の気持ちを察してか、手に込める力を強めた。
「最初に言ったじゃん。守ってやるって」
突如終わりを告げた浮遊感。目を開けていたものの周りを確認出来ていなかった私は目を瞬かせた。
キルアは無事に糸を掴んでいた。そして私の身体も引き上げて糸に掴まさせる。それでも完全に手を離さないのは、私の筋力の無さを分かっているからなのだろう。
そして器用に卵を二つ得たキルアにより、私は二次試験を通過することが出来たのだった。一次試験と同じくおんぶにだっこみがすごい。
「スイマセン!料理のこととなると我を忘れるんです。審査員失格ですね。私は審査員を降りますので試験は無効にして下さい」
メンチは潔く自分が審査員を降りることで責任をとろうとしたけれど、最終的な判断は会長によるところとなった。そして会長の提案により審査員と受験者の両者が納得できる形に収まることになった。
「よし!ではこうしよう。審査員は続行してもらう。そのかわり新しいテストには審査員の君にも実演という形で参加してもらう____というのでいかがかな」
そして出された新たな課題は読者のよく知るところのゆで卵。飛行船で山の頂上に連れていかれた私達の目の前には、先の見えない大渓谷があったのだった。
「この山のどこに卵があるんだろうね。オレの目けっこういいのに見つからないや」
「山の上にないってことは___あ、二人とも見とけよ。審査員の実力、見せてもらおうぜ」
「……うん」
実際生で見ると恐ろしさが半端ではない。靴下を脱いで準備を進めるメンチに私は半ば腰が引けていた。思わずキルアの服の裾を掴むと、怖いのかよ、とからかい混じりに笑われる。小さく頷いた。素直に認めて拍子抜けしたのだろうか。目を丸くしたキルアに頭を撫でられた。年下に心配されている情けなさも目の前の恐怖には叶わない。
そうこうしているうちにメンチの準備は終わったらしい。落ちたら数十km先の海までノンストップ。そんな笑えない説明をかましたメンチはそれじゃお先に、なんて軽く言って大渓谷に飛び込んで行ったのだった。
課題の正体はマフタツ山に生息するクモワシの卵。クモワシは陸の獣から卵を守るため谷の間に丈夫な糸を張り卵をつるしておく。その糸にうまくつかまり、一つだけ卵をとり、岩壁をよじ登って戻ってくる。
会長の説明と共に戻ってきたメンチは笑顔を崩さず余裕だ。
「よっと。この卵でゆで卵を作るのよ」
この時点で誰が合格するのかはわかりきったものだ。臆さない受験生と臆す受験生。私の隣にいる彼らが前者であることはここに来る前から決まっていた。
「あーよかった」
「こーゆーのを待ってたんだよね」
辞退しようか、そんな思いが半分ある私の手をキルアは掴んだ。
「走るのやら民族料理よりよっぽど早くてわかりやすいぜ」
レオリオの言葉を最後に再試験がスタートする。
「よっしゃ行くぜ!」
誰の声でもない。みんなの声の代弁だ。
「そりゃあーーー!!」
勢いよく飛び出していく臆さない者達。そんな中、キルアに引っ張られて飛び出した私の心中は決して穏やかなものではなかった。
「(死ぬこれは死ぬやつ)」
重力に従って落ちていく身体。臓物が浮き上がる感覚は、安全が確認されていない時点でジェットコースターの何倍も性質が悪い。
今だ私の手を離さないでいてくれるキルアを縋るように見やる。もしものことを考えると目を閉じるのさえ怖かった。
キルアはそんな私の気持ちを察してか、手に込める力を強めた。
「最初に言ったじゃん。守ってやるって」
突如終わりを告げた浮遊感。目を開けていたものの周りを確認出来ていなかった私は目を瞬かせた。
キルアは無事に糸を掴んでいた。そして私の身体も引き上げて糸に掴まさせる。それでも完全に手を離さないのは、私の筋力の無さを分かっているからなのだろう。
そして器用に卵を二つ得たキルアにより、私は二次試験を通過することが出来たのだった。一次試験と同じくおんぶにだっこみがすごい。