ハンター試験編
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二次試験の内容は料理。サトツさんに変わって新な試験官が登場した。対極な二人組。生で見たブハラの大柄さには驚いた。細身のメンチと比べたらよりその大きさが分かる。別の世界線なら彼はきっと駆逐対象。cv梶裕貴、神谷浩史あたりにサクッと項を削ぎ落されていただろう。
そんなブハラが出した二次試験最初の課題は豚の丸焼き。料理なんか一切してこなかっただろう受験者のほとんど全員が歓喜した。身構えていたのが嘘のように課題達成のために散らばっていく。それに反して私はどうしようかと思った。記憶通りなら豚はけっこうな大きさになり、この長姉様の細腕では運ぶのがどうしても無理そうだからだ。筋力耐久は共に最低値を出している。
「何してるんだよ。早くいこーぜ」
「、うん」
とりあえず、考えるのは豚を狩ることが出来てからでもいいだろう。そう思うことにした。
生まれてこの方、野生の豚を生で見たことがなかった。私の描く豚像は穏やかで意外と清潔好きで、とても美味しいということ。鼻を巨大かつ硬質に進化させ性格は狂暴。凶悪な武器振りかざす豚は私の知る限りでは存在しなかった。肉食だったら猶更だ。
改めてこの世界の弱肉強食さ加減を実感する。この先のことになるけれど、医者志望の青年が何tものゾルディック家の扉を開けることができるようになるのだ。元々ある平均的な資質も大きく違うのだろう。私の常識なんてあってないようなものだ。
目的の森についたものの、豚や他の受験者の勢いに何となく気圧されてしまう。そんな私の様子を見てか森に着いた途端キルアにここで待ってろ、と言われてしまった。逆らう気なんてハナから皆無の私は、完全に蚊帳の外の手持ち無沙汰になってしまった。だから誰も見ていないことを確認して、攻撃モーションをとってみた。一次試験で気配遮断が使えたことから長姉様でもサーヴァントとして成り代わったことは分かっていた。しかし使いどころどころか確かめる時がなくてその他の確認ができていなかったのだ。そう考えると一人になれたこれは良い機会だったのかもしれない。
物は試し。目の前の木の幹に攻撃をしてみようと、右手を前に押し出すような体勢になっている私。どうなるかと思っていたところ、私の思いに呼応するかのように右手が微かに熱を持つ。そして右手を中心に光が円を描き、そのまま見えない力と共に木に向かっていく。眩しさに一瞬目を瞑る。そして不穏な音に再び瞼を開いたのだった。
「……流石、女神様……」
長姉様の攻撃を受けた部分は粉砕し、中心が無くなった木は横に倒れてしまっていた。肉体派ではないから物理攻撃よりも、本来の力を生かしたような特殊攻撃の方ができるとは予測していたもののここまでとは……サーヴァントってすごい。当たり前だけれど人間の力を遥かに超えている。サポート向きと呼ばれる長姉様でさえここまでなのだ。バリバリ戦闘向きのサーヴァントに成り代わっていたら、より一層その力を持て余してしまっただろう。
「ステンノ、豚焼いて来たから早いとこ試験官のとこ持ってこーぜ」
不本意ながらも自分の持ってしまった力の偉大さに慄く私の元へ、キルアが戻ってきた。大きな豚を持ったキルアは私と目の前の倒れた木を見比べて眉をひそめる。
「これ、お前がやった……はずないよな」
「いや、そのまさかで、」
「はあ!?んな、冗談いいって」
キルアの反応もごもっともだ。念について知らないのなら余計と。この細腕で物理攻撃をかましたところで木はびくともしないのは見ての通りだし、聞かれたところで私もどう説明していいのか分からない……念だと放出系になるのだろうか、なんて仮に推測してみる。とりあえず、ここは何も言わないのが正解なのだろう。
「これ、お前の分な」
そう言ってキルアに渡されたのは私でも辛うじて持てそうな小さな豚の丸焼きだった。丁寧に葉に乗せられている。細かな気遣いに有難くと思うと同時に疑問も湧いてくる。私の為に命を奪われてしまった子豚に思う事がないでもないけれど、普段から美味しい美味しいと肉を食べている身では何の説得力も無い。心の中でしっかりと手は合わせておいた。
「ありがとう。でも、こんなに小さな豚もいたんだね」
「目立つのは俺が持ってるようなヤツだったけど、子豚もいなかったわけじゃないぜ?ここまで小さいのは少なかったけど。どうせ、ステンノのことだからこの大きさのなんて持てないだろ?」
「仰る通りでございます……」
正論過ぎてぐうの音も出ない。キルアの持っている豚は目算でも百キロを超えているのは分かる。それに比べて私の豚は十キロないくらいだろうか。大きさに違いはありすぎるものの、課題の達成にはなるだろう。
「あ、ゴン達ももうすぐ焼きあがるっぽい」
「引き留めて、ごめん。行こうか」
「ほんとになー。それにしてももーちょい早く走れないのかよ」
「一応、とても、必死です……」
「見てれば分かるって」
豚さえなければおそらくはそこそこ早いと思うのだけれど。結局私達がたどり着いたのはゴン達と同時だった。私の持っている豚をゴンは可愛いと言い、クラピカは微笑まし気に見て、レオリオは妥当だと頷いた。明らかに小さい豚でも試験官は笑いながらOKを出した。豚の丸焼きという条件はクリアしているけれど、何でも大きな豚が沢山いる中で、わざわざ小さな豚を探し出して持ってくる人がいるとは思わなかったらしい。私にとっては十キロの豚でも一人で食べるには十分多いと思うけれど、流石はハンター。胃袋も規格外だ。
「キルア……私、筋トレとか始めた方がいいと思う?」
「やってもいいと思うけど、どうせ続かなさそう」
なぜ分かったし。
そんなブハラが出した二次試験最初の課題は豚の丸焼き。料理なんか一切してこなかっただろう受験者のほとんど全員が歓喜した。身構えていたのが嘘のように課題達成のために散らばっていく。それに反して私はどうしようかと思った。記憶通りなら豚はけっこうな大きさになり、この長姉様の細腕では運ぶのがどうしても無理そうだからだ。筋力耐久は共に最低値を出している。
「何してるんだよ。早くいこーぜ」
「、うん」
とりあえず、考えるのは豚を狩ることが出来てからでもいいだろう。そう思うことにした。
生まれてこの方、野生の豚を生で見たことがなかった。私の描く豚像は穏やかで意外と清潔好きで、とても美味しいということ。鼻を巨大かつ硬質に進化させ性格は狂暴。凶悪な武器振りかざす豚は私の知る限りでは存在しなかった。肉食だったら猶更だ。
改めてこの世界の弱肉強食さ加減を実感する。この先のことになるけれど、医者志望の青年が何tものゾルディック家の扉を開けることができるようになるのだ。元々ある平均的な資質も大きく違うのだろう。私の常識なんてあってないようなものだ。
目的の森についたものの、豚や他の受験者の勢いに何となく気圧されてしまう。そんな私の様子を見てか森に着いた途端キルアにここで待ってろ、と言われてしまった。逆らう気なんてハナから皆無の私は、完全に蚊帳の外の手持ち無沙汰になってしまった。だから誰も見ていないことを確認して、攻撃モーションをとってみた。一次試験で気配遮断が使えたことから長姉様でもサーヴァントとして成り代わったことは分かっていた。しかし使いどころどころか確かめる時がなくてその他の確認ができていなかったのだ。そう考えると一人になれたこれは良い機会だったのかもしれない。
物は試し。目の前の木の幹に攻撃をしてみようと、右手を前に押し出すような体勢になっている私。どうなるかと思っていたところ、私の思いに呼応するかのように右手が微かに熱を持つ。そして右手を中心に光が円を描き、そのまま見えない力と共に木に向かっていく。眩しさに一瞬目を瞑る。そして不穏な音に再び瞼を開いたのだった。
「……流石、女神様……」
長姉様の攻撃を受けた部分は粉砕し、中心が無くなった木は横に倒れてしまっていた。肉体派ではないから物理攻撃よりも、本来の力を生かしたような特殊攻撃の方ができるとは予測していたもののここまでとは……サーヴァントってすごい。当たり前だけれど人間の力を遥かに超えている。サポート向きと呼ばれる長姉様でさえここまでなのだ。バリバリ戦闘向きのサーヴァントに成り代わっていたら、より一層その力を持て余してしまっただろう。
「ステンノ、豚焼いて来たから早いとこ試験官のとこ持ってこーぜ」
不本意ながらも自分の持ってしまった力の偉大さに慄く私の元へ、キルアが戻ってきた。大きな豚を持ったキルアは私と目の前の倒れた木を見比べて眉をひそめる。
「これ、お前がやった……はずないよな」
「いや、そのまさかで、」
「はあ!?んな、冗談いいって」
キルアの反応もごもっともだ。念について知らないのなら余計と。この細腕で物理攻撃をかましたところで木はびくともしないのは見ての通りだし、聞かれたところで私もどう説明していいのか分からない……念だと放出系になるのだろうか、なんて仮に推測してみる。とりあえず、ここは何も言わないのが正解なのだろう。
「これ、お前の分な」
そう言ってキルアに渡されたのは私でも辛うじて持てそうな小さな豚の丸焼きだった。丁寧に葉に乗せられている。細かな気遣いに有難くと思うと同時に疑問も湧いてくる。私の為に命を奪われてしまった子豚に思う事がないでもないけれど、普段から美味しい美味しいと肉を食べている身では何の説得力も無い。心の中でしっかりと手は合わせておいた。
「ありがとう。でも、こんなに小さな豚もいたんだね」
「目立つのは俺が持ってるようなヤツだったけど、子豚もいなかったわけじゃないぜ?ここまで小さいのは少なかったけど。どうせ、ステンノのことだからこの大きさのなんて持てないだろ?」
「仰る通りでございます……」
正論過ぎてぐうの音も出ない。キルアの持っている豚は目算でも百キロを超えているのは分かる。それに比べて私の豚は十キロないくらいだろうか。大きさに違いはありすぎるものの、課題の達成にはなるだろう。
「あ、ゴン達ももうすぐ焼きあがるっぽい」
「引き留めて、ごめん。行こうか」
「ほんとになー。それにしてももーちょい早く走れないのかよ」
「一応、とても、必死です……」
「見てれば分かるって」
豚さえなければおそらくはそこそこ早いと思うのだけれど。結局私達がたどり着いたのはゴン達と同時だった。私の持っている豚をゴンは可愛いと言い、クラピカは微笑まし気に見て、レオリオは妥当だと頷いた。明らかに小さい豚でも試験官は笑いながらOKを出した。豚の丸焼きという条件はクリアしているけれど、何でも大きな豚が沢山いる中で、わざわざ小さな豚を探し出して持ってくる人がいるとは思わなかったらしい。私にとっては十キロの豚でも一人で食べるには十分多いと思うけれど、流石はハンター。胃袋も規格外だ。
「キルア……私、筋トレとか始めた方がいいと思う?」
「やってもいいと思うけど、どうせ続かなさそう」
なぜ分かったし。