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【拍手御礼SS】 ~恋に落ちる瞬間~ 忍足侑士Ver.
それは、ものすごくベタなシチュエーションで・・・・・。
私は、移動教室で授業に遅れそうになって廊下を全力疾走。階段も、2段飛ばしで駆け上がり後もう少しで教室に・・・・・・その踊り場で、前をまともに見ていなかった私は見事に人とぶつかった・・・・・・。
その衝撃で、尻餅を着きそうになった私の腕を強い力が引き上げてくれた。
「ケガないみたいやな・・・・?」
独特のイントネーションで、少し低めの声。
慌てて、顔を上げるとめちゃくちゃ整った顔の漆黒の瞳とぶつかった。
うわーっ、テニス部の忍足君だぁ・・・・・・こんな近くで見るの初めて・・・・・・・。
「・・・・・はい・・・・・大丈夫です・・・・・・・」
それだけしか、言葉が出てこなかった私。瞳をそらすことも出来ず、ただただ見つめるばかり・・・・・。
「あっ、侑士!眼鏡!!」
隣にいた、赤い髪の座敷童子みたいな男の子が声を上げる。
その声に、我に返った私。
ゆっくりとした動作で眼鏡を拾い上げる忍足君。その手の中の眼鏡はヒビが入ってて・・・・・・・。
「・・・・・あーあ・・・・こりゃ、使い物にならんな」
「ご・・・・・ごめんなさいっ!!」
思いっきり頭を下げて、謝る。
どうしよう、どうしよう・・・・・・・・?!
めちゃめちゃ焦る私に、忍足君が言った。
「俺、裸眼ではほとんど見えへんねん・・・・・・責任とって、帰り家まで送ってな?」
「うん、もちろん。弁償もするよ!!!」
「ほな、帰りな」
********放課後*********
「あ、そこ段あるから気をつけて!」
そう言いながら、放課後教室まで私を呼びに来た忍足君と一緒に下校中。
隣に並んで、私は一生懸命実況中継。
「なぁ、手繋いでくれへん?見えんと、怖いわ」
「あ・・・・うん」
そう言って、差し出した手を忍足君がギュッと握った。
ついつい赤面してしまう私だったけど・・・・・・・・ダメダメ、これは人助けなんだから・・・・・!!!そう言い聞かせて、また前を向く。
何とか、忍足君のマンションの前までついた。
「あ、忍足君。本当に眼鏡、ごめんね?ちゃんと弁償するから」
「別に、ええよ?眼鏡の予備まだ部屋にあるし・・・・・」
「・・・・・・・・でも・・・・・・・・」
どう考えたって、私の不注意のせいだし・・・・・・・。
そう思って、困っていると忍足君がじゃあ・・・・・と言って、いたずらっぽい目で言った。
「俺と付き合ってや?」
「・・・・・は?」
「前から、気になっとったん」
「・・・・・うそ・・・?何で・・・・」
頭はパニック状態で、何も考えられない。
「でも・・・・・可愛かったなぁ・・・・・・手、繋いだだけで真っ赤になって」
「///////////」
また、真っ赤になる私。・・・・・・・・・でも・・・・・?
・・・・・・・・・あれ?何で・・・・・・・・?
「何で、真っ赤になったって分かるの?目、ほとんど見えないんでしょ?」
「あー、コレ伊達やから」
「な??!」
にっこり笑って、壊れた眼鏡を指差してしれっととんでもないことを言う忍足君。
「ホンマに、目、悪いと思った?俺が伊達眼鏡やって、結構有名やけど・・・・・?一応、テニス部のレギュラーやで?」
声も出ず、立ち尽くす私。
・・・・・・・・・騙された・・・・・・・・・・・。
「で、返事は?」
そう言って、キレイな顔で覗き込んでくる忍足君に私が逆らえなかった事など、言うまでもない・・・・・・・。
だって、私はあの瞬間に、貴方に恋をしたんだもの。
*** END ***