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プリンの日

「なぁ、三橋。今日ってプリンの日なんだって」

日も暮れてきた頃、ちらりと携帯を見てそう言えば、雑誌を読んでいた三橋は「へー」と顔を上げて、興味ありげな反応をした。
しかし、三橋は再び雑誌へと視線を戻す。

「叶、プリン買ってきてよ」
「三橋が食いたいなら自分で行けばいいだろ」
「…だって今、雑誌読んでるし。それに叶があんなこと言うから食べたくなったんでしょ」
「はぁー……、じゃあ、ジャンケンで負けた方が買いに行こうぜ。ジャーンケン、ポン」

オレの言葉で咄嗟に出した三橋はグー。オレはパーで。

「オレの勝ちだな」

にっと笑うと、三橋は「叶、ずるい!」とオレを睨んでいる。その迫力の無さから、ちっせーなぁと思いながら、ぽんぽんと三橋の頭を撫でると、更に睨まれた。

「プリン、いらねぇの?」
「いる。食べる。…から、買いに行く」
「んじゃ、オレも行く」


「ジャンケンした意味ないじゃん」ってお前は言うけど、もう夜なんだし元からお前1人に買いに行かせるつもりはなかったんだよ。…なんて、お前には言わねぇけどな。
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