お風呂上がりに
お風呂上がりで喉が乾いていたからなのか、ハルヒがゴクゴクと喉を鳴らしながらお茶を飲んでいたら自分を見つめる視線を感じた。鏡夜の視線を。
「…鏡夜先輩、そんなに見てどうしたんです?」
そう尋ねると、ハルヒは返事も待たずにまたお茶を飲み始める。
「ああ、なんだかエロいもんだなと思ってな」
「…は、はぁ!?」
思いもよらぬ鏡夜の発現に驚き、むせてしまうとゴホゴホと咳をしているハルヒをよそに鏡夜は続ける。
「俺はそういうことは考えないとでも思っていたのか?」
「……え、いや、自分はそんなこと言ってませんけど……」
ずいっと近付いてきた鏡夜の顔が目の前にあるからハルヒが視線を逸らした次の瞬間──、
「そういう反応は男を煽るだけだぞ、ハルヒ」
ふっと口の端を釣り上げた鏡夜がハルヒの唇を奪うように、しかし優しく、口付けをした。
珍しく情熱的な鏡夜に思わず胸が高鳴ったハルヒは、拒むなんてことは頭からなくなり鏡夜を受け入れた。