「おはよ～」
「おはよう悠月。朝ごはんできてるわよ～」

台所の母と挨拶をかわし、ダイニングに行くと、バジルが先に席についていた。

「おはよ、バジル」
「おはようございます、悠月殿」

私が笑って挨拶すると、バジルは少しほっとしたように見えた。
…上手く、笑えたかな。

「お待たせしちゃったかな？」
「いえ、拙者も今来たところですから。」

と言いながらも、急須から緑茶を注ぐバジル。
3つの茶碗に、慣れた手つきで注ぎまわしていく。

ちなみに私の家の朝食は、和食である。

「どうぞ。」
「ありがとう^^」

茶碗を受け取ると、お茶碗のあったかさが伝わってくる。

そういえば昨日バジルと話してて思ったけど、日本語すごく上手になってたな。
なぜか「拙者」とか「～殿」って言い方してるのが気になるけど。笑
（バジルが尊敬する「親方様」？が教えてくれているらしい。）

―悠月が日本に行ってから、日本のこと、すごく勉強したんだって！

母が昨日こっそり教えてくれたことを、思い出す。

今日は用事があるから違うかもしれないけど。
それでも、バジルは日本に来ようとしてくれてたのかな…。

そう思うとなんだか少しドキドキしてしまう。

バジルをそっと見ると、たまたま目が合ってしまって。
何だか恥ずかしくなって、つい、目をそらしてしまう。

いまドキドキしているのが、どうかばれてませんように。