I miss you, but I believe.
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くんっ、と服の裾あたりが引っ張られる感じがした。
「…やだ……。」
背中の向こうから、悠月の声がした。
バジルが驚きつつもそっと振り向いてみると、悠月が服の裾をつかんでいる。
が、どうやら寝言のようだった。
目をつぶったままの悠月は、少し悲しそうな顔していた。
「行っちゃ、やだ……。」
もう一度細く繰り返される言葉。
声は細くなっても、裾はしっかりつかんだままで、少し引っ張ってみても放す気配はなかった。
「悠月、殿……?」
「…私は…バジルが好きなの…。」
悠月は細い声で、しかし言葉の輪郭ははっきりとした声で、そう言った。
「(え……っ?)」
急な告白に、バジルの胸がドキドキと音を立て始める。
悠月の寝言は止まらない。
「私ね…、ずっと、ずっと前から思ってたの。
ずっとずっと、言いたかったの。
でも、言えなかった。私、どうしても勇気が出なくて。
だってバジルの目を見てると、心臓がどきどきしちゃうんだもん。
結局最後の日まで言えなかった。……後で、すごく後悔した。」
「……!」
バジルは驚いて、何も言えなくなった。
寝ているはずの悠月の目から、いつしか涙がにじみ出していた。
「だから…私、決めたの…。
大きくなって、もう一度バジルに会えたら、ちゃんと伝えるんだって。
バジルのこと、好きだよ、って……。」
そこまで言うと、悠月の手から力が抜けて、ぽすっ…とベッドの上に落ちた。
またすやすやと寝息をたてはじめた悠月を見つめ、バジルは沈黙した。
起こさないように、そっと悠月の涙を拭い、ささやく。
「拙者も、悠月殿のことが、大好きですよ。」
バジルは言い残し、悠月の髪をなでると、音もなく部屋を出て行った。
悠月の部屋には、柔らかな夜風と、静かな月光だけが残った。
「…やだ……。」
背中の向こうから、悠月の声がした。
バジルが驚きつつもそっと振り向いてみると、悠月が服の裾をつかんでいる。
が、どうやら寝言のようだった。
目をつぶったままの悠月は、少し悲しそうな顔していた。
「行っちゃ、やだ……。」
もう一度細く繰り返される言葉。
声は細くなっても、裾はしっかりつかんだままで、少し引っ張ってみても放す気配はなかった。
「悠月、殿……?」
「…私は…バジルが好きなの…。」
悠月は細い声で、しかし言葉の輪郭ははっきりとした声で、そう言った。
「(え……っ?)」
急な告白に、バジルの胸がドキドキと音を立て始める。
悠月の寝言は止まらない。
「私ね…、ずっと、ずっと前から思ってたの。
ずっとずっと、言いたかったの。
でも、言えなかった。私、どうしても勇気が出なくて。
だってバジルの目を見てると、心臓がどきどきしちゃうんだもん。
結局最後の日まで言えなかった。……後で、すごく後悔した。」
「……!」
バジルは驚いて、何も言えなくなった。
寝ているはずの悠月の目から、いつしか涙がにじみ出していた。
「だから…私、決めたの…。
大きくなって、もう一度バジルに会えたら、ちゃんと伝えるんだって。
バジルのこと、好きだよ、って……。」
そこまで言うと、悠月の手から力が抜けて、ぽすっ…とベッドの上に落ちた。
またすやすやと寝息をたてはじめた悠月を見つめ、バジルは沈黙した。
起こさないように、そっと悠月の涙を拭い、ささやく。
「拙者も、悠月殿のことが、大好きですよ。」
バジルは言い残し、悠月の髪をなでると、音もなく部屋を出て行った。
悠月の部屋には、柔らかな夜風と、静かな月光だけが残った。