消えることはない記憶
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悠月ちゃんが跡形もなく消えて、俺はその場にへたり込んだ。
後に残ったのは、雨上がりの湿った風と、水たまり。
晴れ間の見える、曇り空。
悠月ちゃんの手を握っていた右手のひらをそっと開くと、
ひとひらの桜の花びらが残っていた。
その花びらを見た時に、悠月ちゃんと過ごしてきた日々が、
一気に頭に流れこんできた。
あぁ、そうか。
そうだったんだ。
悠月ちゃんは、もうずっと前に、俺と出会っていたんだ。
(『また、忘れられてしまう』)
悠月ちゃんが言った言葉の意味が、今は分かる。
1年生の時に、俺が泣きべそかいてた時に話しかけてくれたのも。
2年生の時に、転びそうになったのを助けてくれたのも。
3年生の時に、体育でケガして、保健室に一緒に行ってくれたのも。
4年生の時に、社会見学のペアで一緒に回ったのも。
5年生の時に、クラスの係が一緒だったのも。
全部ぜんぶ、悠月ちゃんだったんだ…。
悠月ちゃんとの記憶を全部取り戻して、
最後に、今さっきまでいた悠月ちゃんの笑顔を、思い返した。
(『ツナ君にだけは覚えていてほしかったの…私のことを。』)
もう一度手のひらを見ると、桜の花びらがふるえていた。
そのたったひとひらの、今にも風に飛んでいきそうな花びらを見て、
どうしようもなく言葉にならなくて、俺はただ泣いた。
泣いて泣いて、ただ、泣いた。
悲しくて、やりきれなくて、
ごちゃまぜのこの気持ちをどうすればいいのか分からないままに。
泣いても泣いても、涙は止まらなかった。
そのあと、俺は家に帰ったらしいけれど、
どうやって家に帰ったかは、よく覚えていない。
気が付いたときには、部屋のベッドで横になっていて。
起きてきたら、母さんにひどく心配されたことだけは、今も覚えている。
後に残ったのは、雨上がりの湿った風と、水たまり。
晴れ間の見える、曇り空。
悠月ちゃんの手を握っていた右手のひらをそっと開くと、
ひとひらの桜の花びらが残っていた。
その花びらを見た時に、悠月ちゃんと過ごしてきた日々が、
一気に頭に流れこんできた。
あぁ、そうか。
そうだったんだ。
悠月ちゃんは、もうずっと前に、俺と出会っていたんだ。
(『また、忘れられてしまう』)
悠月ちゃんが言った言葉の意味が、今は分かる。
1年生の時に、俺が泣きべそかいてた時に話しかけてくれたのも。
2年生の時に、転びそうになったのを助けてくれたのも。
3年生の時に、体育でケガして、保健室に一緒に行ってくれたのも。
4年生の時に、社会見学のペアで一緒に回ったのも。
5年生の時に、クラスの係が一緒だったのも。
全部ぜんぶ、悠月ちゃんだったんだ…。
悠月ちゃんとの記憶を全部取り戻して、
最後に、今さっきまでいた悠月ちゃんの笑顔を、思い返した。
(『ツナ君にだけは覚えていてほしかったの…私のことを。』)
もう一度手のひらを見ると、桜の花びらがふるえていた。
そのたったひとひらの、今にも風に飛んでいきそうな花びらを見て、
どうしようもなく言葉にならなくて、俺はただ泣いた。
泣いて泣いて、ただ、泣いた。
悲しくて、やりきれなくて、
ごちゃまぜのこの気持ちをどうすればいいのか分からないままに。
泣いても泣いても、涙は止まらなかった。
そのあと、俺は家に帰ったらしいけれど、
どうやって家に帰ったかは、よく覚えていない。
気が付いたときには、部屋のベッドで横になっていて。
起きてきたら、母さんにひどく心配されたことだけは、今も覚えている。