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星の息吹 - 冒険王ビィト another story-

ビィトたちが村に訪れてから数日が経った。

その間にキッスは、ステラをはじめ、バスター志望の子どもたちに天撃を教えた。
ビィトも武器の使い方を教えたり、練習相手になったりと忙しくしていた。

ステラはあの日以降もキッスに教えられたことをしっかり覚え、
天撃の扱いをめきめきと上達させていった。

キッスは、昼は皆が使えるような、火や水の天撃を中心に教え、
日が暮れて宿に戻ってからは、ステラに光の天撃を教えた。

天撃が上手くなるにつれ、ステラは少しずつ自信がつき、
日を追うごとに笑顔が増えていった。

そんな平和な日が続いていた、ある日のことだった。


その日は3日に1度の、ビィトが眠る日だった。
キッスがいつものように天撃を子どもたちに教えていた時のこと。

(どおおぉぉぉん!!!)

大きな音とともに、村全体が揺れた。
子どもたちが悲鳴を上げる。

「な、なんだ今のは…!?」

キッスが周りを見渡すと、門の方角から煙が上がっているのが見えた。
そしてその方角からほどなくして、悲鳴とともに「逃げろー!」という声が聞こえてきた。

キッスはすぐに子どもたちに逃げるように言い、門へと向かう。

「門が…破られてる!?」

キッスが着くと、門の一部が壊されていて、そこからモンスターたちが街に入ってきていた。

「申し訳…ない…突破…された……」

門がすまなさそうにキッスに語り掛けてくる。

「こんな時に…!ビィトはまだ寝てるっていうのに…」

そう言いつつも、まずは門をふさがないとどうにもならないと思ったキッスは、
天撃の雹錐(ひょうすい)で応急措置として門をふさいだ。

「ごめん、これでもうしばらくは耐えてほしい」
「わかった…おぬしも…気をつけて…」

キッスは門に別れを告げ、急いでモンスターの対応に向かう。
天撃で次々とモンスターを撃退していきながら、子どもたちの方に向かって走る。

「(このモンスターだけで門が破られたわけではないはず…何か嫌な予感がする…)」


一方、ステラをはじめ子どもたちは、門とは逆方向に逃げていた。
しかし子どもたちにも、モンスターの魔の手が忍び寄っていた。

「わぁっ!」

逃げ遅れた子どもが一人、モンスターに見つかってしまった。
その子どもは、ステラの家の隣に住んでいる小さな男の子―カイトだった。

モンスターはズンズンとこちらに向かってくる。
他の大人たちも、モンスターと戦っていて助けに行けない。

「…カイト…!!」

物陰に隠れていたステラが、カイトがモンスターに狙われていることに気づく。

「うわあぁぁぁぁ!」

カイトは怖さのあまり後ずさり、足がもつれて転んだ。
そこにモンスターが手を振り上げる。このままだと助からない…

―それは…ダメ…!!

ステラは思わず飛び出した。
そしてこの数日で一番自信のついた天撃を放つ。

「天撃の…旋風っ!」

ステラの手に竜巻が生まれ、モンスターへと放たれる。
モンスターが竜巻の中で視界を奪われている間に、ステラはカイトの手を取って走り、
物陰に隠れていたカイトのお母さんへと引き渡した。

「あぁ…カイト!!」
「お母さん、お母さん…!!」

危機を脱し、お母さんの腕にぎゅっと抱きしめられたカイトは大泣きした。
その姿をじっと見つめ、ステラは決意の宿る目で呟く。

「カイト、大丈夫…。私…みんなを守る…!!」

そして踵を返し、ステラは再びモンスターの前に立ちはだかった。
今は天撃の旋風で足止めをしているが、そう長くは持たないだろう。

足止めが続いているうちにと、次の一手を放つ。

「天撃の…火炎!」

(ぎゃあぁぁぁぁ!)

「…! できた…!!」

これまで好きになれずに、あまり使ってこなかった火の天撃だったが、
この数日でステラは十分に扱えるようになっていた。

幸いモンスターは、火に弱い属性だったようですぐに倒すことができた。

「よし…私、できる。キッスのこと、手伝う…!」

ステラは小さな身を隠しながら、今度は門の方へと少しずつ足を進めていった。
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