第二章 緑の景色の中で
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僕の提案に、ディーノは目を見開いた。
「なっ……それは……。」
「僕は、以前の名前を思い出せない。」
「ああ、それはそうだが…」
「けれど僕はきっと、名前があったはずだ。」
「それは確かに……」
「僕がここにいる間、ずっと名前がないのは不便だろう」
「確かにそうだが…なんでまた…」
「それに僕は……」
そう言いかけて、
―僕は、何を言いたかったのだろう?
僕はその先の言葉を持っていないことに気づいた。
それに、急にディーノにたたみかけ始めた自分を、変だと思った。
ディーノが、驚いたように僕を見ている。
「…いや。僕は何を言っているんだろう。違うんだ。」
何が違うんだろう。自分でもそう思った。
思いながらもそれ以上に、何かを否定したかった。
自分を突き動かした何かを、否定したかった。
「ただ…その人の名前を聞くと、何か…分かるような気がして。
自分の記憶にも、何か関連があるのかもしれないと思って。」
とっさの言い訳らしきものを探して、彼に投げる。
「だからと言って、僕が君の知り合いの名前をもらいたいだなんて、変な話だよな。」
口が勝手にしゃべる感覚を感じながら、
僕は立ちあがり、さっとディーノに背を向けた。
「…さっきのは、忘れてくれ。」
僕はディーノとの距離が背中越しに離れていくのを感じながら、
自分の部屋へと、歩いていった。
ディーノは、追っては来なかった。
「なっ……それは……。」
「僕は、以前の名前を思い出せない。」
「ああ、それはそうだが…」
「けれど僕はきっと、名前があったはずだ。」
「それは確かに……」
「僕がここにいる間、ずっと名前がないのは不便だろう」
「確かにそうだが…なんでまた…」
「それに僕は……」
そう言いかけて、
―僕は、何を言いたかったのだろう?
僕はその先の言葉を持っていないことに気づいた。
それに、急にディーノにたたみかけ始めた自分を、変だと思った。
ディーノが、驚いたように僕を見ている。
「…いや。僕は何を言っているんだろう。違うんだ。」
何が違うんだろう。自分でもそう思った。
思いながらもそれ以上に、何かを否定したかった。
自分を突き動かした何かを、否定したかった。
「ただ…その人の名前を聞くと、何か…分かるような気がして。
自分の記憶にも、何か関連があるのかもしれないと思って。」
とっさの言い訳らしきものを探して、彼に投げる。
「だからと言って、僕が君の知り合いの名前をもらいたいだなんて、変な話だよな。」
口が勝手にしゃべる感覚を感じながら、
僕は立ちあがり、さっとディーノに背を向けた。
「…さっきのは、忘れてくれ。」
僕はディーノとの距離が背中越しに離れていくのを感じながら、
自分の部屋へと、歩いていった。
ディーノは、追っては来なかった。