エルリ
エルヴィン・スミスが死んだ。
最後は何ともあっけなく、老衰でベッドの上でゆっくりと死んだ。看取ったのは、俺、ハンジ、モブリット、104期生のエレン、ミカサ。それだけだった。
死後、彼の部屋は俺一人で掃除をした。彼の愛用した机の、鍵のかかった引き出しから零れるほど多くの手紙が出てきた。死人に口なしというが、俺はその甘言に乗って、手紙を読んだ。中身はラブレターだった。
愛おしい人へ、自分がどれだけ君を愛しているのか、大切に思っていて、失いたくないと、…悲しい思いをさせてしまって申し訳ない、と。
あて先はなかった。
最後に、あいつの綺麗なエルヴィン・スミスという名前が書いてあった。
引き出しの中の手紙は、まとめて処分した。すべては確認しなかった。読んだのはその一通だけだった。処分した後で、ふと思い出した。彼が生前、目覚ましのコーヒーを飲みながら、休憩だと称して、少しだけ、気持ちに任せて書いていたあの紙切れは、あのラブレターだったのでは、と。
ならば悪いことをしたと思う。彼は仕事に一番時間をかける人だったから。その仕事の間を縫って書いたあれは、
彼は俺を憎んでいるだろうか、殺そうとした自分を、看取ることしかできなかった自分を
彼の机を解体した時、鍵のかかった引き出しの板底から、もう一通手紙が出てきた。差出人はエルヴィン・スミス。あて先はリヴァイ、俺に向けてだった。彼の秘密を暴くように、ゆっくりと開ける。
それはラブレターだった。右腕を失って間もないころに書いたらしい。ガキが書いたような文字が並んでいた。
紙は、長らく空気に触れていなかったのか、新品のような白さだった。彼の愛した机の木の香がしていた。
彼の死んだ、後のこと
最後は何ともあっけなく、老衰でベッドの上でゆっくりと死んだ。看取ったのは、俺、ハンジ、モブリット、104期生のエレン、ミカサ。それだけだった。
死後、彼の部屋は俺一人で掃除をした。彼の愛用した机の、鍵のかかった引き出しから零れるほど多くの手紙が出てきた。死人に口なしというが、俺はその甘言に乗って、手紙を読んだ。中身はラブレターだった。
愛おしい人へ、自分がどれだけ君を愛しているのか、大切に思っていて、失いたくないと、…悲しい思いをさせてしまって申し訳ない、と。
あて先はなかった。
最後に、あいつの綺麗なエルヴィン・スミスという名前が書いてあった。
引き出しの中の手紙は、まとめて処分した。すべては確認しなかった。読んだのはその一通だけだった。処分した後で、ふと思い出した。彼が生前、目覚ましのコーヒーを飲みながら、休憩だと称して、少しだけ、気持ちに任せて書いていたあの紙切れは、あのラブレターだったのでは、と。
ならば悪いことをしたと思う。彼は仕事に一番時間をかける人だったから。その仕事の間を縫って書いたあれは、
彼は俺を憎んでいるだろうか、殺そうとした自分を、看取ることしかできなかった自分を
彼の机を解体した時、鍵のかかった引き出しの板底から、もう一通手紙が出てきた。差出人はエルヴィン・スミス。あて先はリヴァイ、俺に向けてだった。彼の秘密を暴くように、ゆっくりと開ける。
それはラブレターだった。右腕を失って間もないころに書いたらしい。ガキが書いたような文字が並んでいた。
紙は、長らく空気に触れていなかったのか、新品のような白さだった。彼の愛した机の木の香がしていた。
彼の死んだ、後のこと