随想録 Ⅰ


僕にちょうだい



頬に流れるのは悲嘆の涙。
瞳に宿るのは憎悪の光。
まっすぐな視線は鋭くて、僕を捕らえて離さない。

愛はいらない、だから憎しみをちょうだい。
僕に対するあなたの恨みをちょうだい。
それであなたと繋がっていられるのなら。

あなたの悲しみだけが僕を優しく包み込む。
あなたの憎しみだけが僕の心を癒す妙薬となる。
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