随想録 Ⅰ
五十音でつむぐもの
うそ、ウソ、嘘。
どれがいい?と聞いてきた君に「どれも一緒」と、僕は答えた。
君は驚いて、笑って、そして泣いた。
嘘、ウソ、うそ。
君にとってどんなもの?と聞いたら。
「すっごく嫌なもの」と、僕に凄んでみせた。
さっきまでの泣き顔はどこへやら。
僕には必要でも、みんなそうとは限らないと痛いほど見せつけられた。
「本当、ってどこにあるの」なんて聞かないで。
言葉はいつでも自分勝手だから。
嘘を纏い、真実を覆い隠すから。
ならば態度で示そうか。でもそんなに簡単なものじゃない。
人は人を疑い、知らないうちに傷つけ合う。
自分を守るための、うそ。
隠すための、ウソ。
その場しのぎの、嘘。
虚栄ばかりが大きくなって、小さくて弱虫な本心は見せたくない。
こんなにちっぽけな僕でも、君の前では素直にありたいんだ。
この言葉、君なら信じてくれるかい?
25/04/23
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