随想録 Ⅰ


四つ葉のクローバー



あなたは、見つけたことがありますか?
上から見ると、可愛い模様のハートが四枚。

三つ葉じゃないんですって、しあわせを運ぶのは。
一体、誰がそう決めたのでしょう。
一つずつの形は同じなのに、枚数で意味が変わるなんて。

道端でしゃがむあたなのつむじは、太陽を浴びてきらきらしています。
私の項がじりじり焼ける感覚は、いつの間にか胸にまで届いていたみたい。

白詰草の花の時期は終わり、緑の三つ葉が生い茂る。
その中をしなやかな指が四つ葉を探す。

「あっ」と声を上げたあなた。
ダンゴムシでも見つけたのかな、と思ったら。
小さなしあわせが摘み取られていました。
胸が、きゅっとしました。

もしかして、役割があるのかな。
きっとそう、役割があるんだ。
あなたが私とはんぶんこ。
ほら、四つ葉なら綺麗に出来たから。

「おすそ分けだよ」と笑った顔は汗も輝いて見えました。

あなたは何を願いますか?
その小さなしあわせに。

私は何を願いましょう。
このしあわせの時間に。

願わくば、あなたと私が同じ想いでありますように。


21/12/28
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