随想録 Ⅰ


世界を閉ざす枷



鳥籠に繋がれる一羽の小鳥。
いつの日か大空を飛び回るのを夢見て、どこまでも続く空を見つめる。
だけどあの空を颯爽と飛べる日なんて絶対に訪れない。
だって俺が手離す訳ないから。

お前を空に放したらきっと、俺の元へは帰って来ない。
あの忌まわしき大空の虜となって……。

だから、逃がさない。
自由になんか、しない。
お前は一生、この小さな鳥籠の中。
俺のそばで輝いていればいい。

蒼を見上げるその瞳は誰にも気づかれるコトなく、静かに揺れ動く。
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