随想録 Ⅰ


今、出来ること



いつもいつも明るくて元気いっぱいで、ちょっぴりやんちゃなあなた。
僕に向けられる笑顔は他の誰よりも格別輝いて見えた。

だけどそんなあなたにでも落ち込むコトはあって……。
「どうした?」とか「何かあった?」と聞いてみても「大丈夫だから」って微笑むばかり。

本当は無理をしているくせに。

分かるんだよ?
嫌なコトがあったってくらい。
一生懸命笑みを作ったとしても、瞳は哀しみをたたえている。
すぐに俯いたり目を反らしたりするのも、気持ちが沈んでいるときの癖。

心配かけたくないって思うのは分からなくもない。
だからといって、隠されるのはこっちも気分が悪い。

つらかったら話してくれればいいのに。
そう思うけれど僕からは何にも行動出来なくて。
いつもあなたが言い出してくれるのを待つばかり。

あなたの力になりたいのにあと一歩が踏み出せない。
臆病な自分に嫌気が差す。

口下手でもあるから励ましたくても言葉が出ない。
気の利いた言葉なんてかけてあげられない。
つらいのを分かってあげられてもどうしようも出来ない。

こんな僕が一体に何をしてあげられるのだろうか?
考えてみた、いっぱいいっぱい考えてみた。
そして自分なりの答えを見つけた。

何も出来ないのなら、何もしない。
その代わり、いつでもそばにいてあげる。
あなたが落ち込んだとき、笑顔を思い出すためのきっかけを作ってあげる。
今の自分にはこれが精一杯。

あなたの哀しみには到底打ち勝てないかもしれない。
それでも、少しでも哀しみを忘れるコトが出来るのなら、頑張ってみようと思う。


11/04/10
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