随想録 Ⅰ
意味を成さない矛と盾
独りになりたい。
そばにいちゃだめ?
独りになりたい。
独りぼっちは寂しいよ?
こっちに来ないで。
鋭利な矛を軽くあしらって。
話しかけないで。
鉄壁な盾を力一杯押し退けて。
ねぇ、僕を遠ざけないで。
いつも一緒にいる僕を忘れないで。
優しい眼差し、温かい声。
あなたがそばにいる。
あなたがそばで笑ってくれる。
その幸せが嬉しくて怖かった。
いつまでも続く、いつかは終わるこの時間が。
だから距離を置いた、あなたから離れた。
独りの寂しさに押しつぶされないために。
でもそれは取り越し苦労だったらしい。
ずっと一緒、もう離れない。
今、ここに誓おう。