郷に入っては郷に従え
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そのお店では、リュックタイプのものとボディバッグを購入した。
荷物の量によって使い分けるためだ。
今度は2人が見ていない隙にささっとお会計を済ませた。
「ありがとうございましたー!」
『…どうしよう』
購入したということは、お金を持ってたことが明らかになるということだ。
さっきは買ってもらったのに今度は自分で買うって何だか嫌味な人間じゃないか?
お、怒られたらどうしよう。
冷や汗が伝う中、突如後ろから声がした。
「なんだお前、金持ってたのかよい?」
ドッ、キン。
心臓がありえないはね方をした。
変な汗がダラダラ滝のように流れて、ギギギと油のさされてないロボットのように振り向くと、そこにはマルコさんがいた。
本当のことを言おう…。
『あっ、えと…実は持ってたというか…入ってたというか…僕にもちょっとよく分かってないんですけど、…さっき言い出せなくてごめんなさい…!!だから、あの、服代もお支払いします!』
半泣きになりながらお許しを、お許しを、とビクビクして財布を差し出すと、マルコさんは少し目を見開いたかと思えば、「あー…」とばつが悪そうに頬をかいた。
「そういう意味で聞いたんじゃねえんだが……別にいいよい」
『でもっ、』
「俺が買ってやるって言ったんだ、おとなしく買われとけ」
『は、はひ……(好き…)』
これが大人の包容力なのだろうか。
僕には絶対真似出来ない。
ただ、次は隠し事すんなよい、と釘も刺されたが。
「さて…ほかは無ェか」
『うーん…思いつく限りは、特に』
衣類は買った。カバンも買った。
まあ贅沢を言えば、現代っ子なのでスマホの一つも欲しいところだが、あるはずもなく。
というかそんなもの無くても、この世界は僕を全く飽きさせないので必要ないけれど。
日用品はあるとの事だし…生活していく上での必要最低限は揃ったのではないだろうか。
あとは暮らしていくうちに、追加で欲しいものが出てくるだろう。
そうなったらその時に買えばいいのだ。
「なら…メシだな!」
待ち望んでいたかのように、エースは言った。
太陽もいつの間にか真上にいる。時間的にもちょうどいいだろう。
「ったく…お前はそればっかりだな。んじゃ、買うもんなけりゃあメシ屋に行くか」
それでいいかよい?、と確認を取られたが、着いてきてもらってる側なので反対するはずもなく。
僕らは近くのご飯が食べられそうな店へ入った。